面白かった。意見の対立する議論が行われる際に、「二項対立」的に議論を重ねてしまうと、対立がエスカレートして、相手に対する反感や嫌悪感がどんどん増していく「不健全な対立」となることが示されている。そのような対立は、仮にお […]
読書メモ
菊池馨実(2019)『社会保障再考:〈地域〉で支える』岩波新書.
地域を軸にした社会保障のあり方を摸索した本。生活困窮者支援制度を代表例としながら、金銭、現物、サービスを含む「給付」を体系としてきた従来の社会保障制度の系譜とは別の「各人の個別的なニーズやさまざまな生活上の困難を受けとめ […]
山本圭(2024)『嫉妬論:民主社会に渦巻く情念を解剖する』光文社新書.
民主主義社会が、嫉妬感情と分かちがたく繋がっていることを論じた本。個人的に印象に残ったのは、上方嫉妬と下方嫉妬の関係の複雑さについてだった。例えば、ヌスバウムが、嫉妬感情が民主社会の脅威になると議論している中で、「過度な […]
ダニエル・ゴールマン、ピーター・センゲ著(2022訳)『21世紀の教育:子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点』ダイヤモンド社.
「社会性と感情の学習(SEL」の重要性を説きつつ、その可能性を広い視野で論じている本だった。本書の原題にもある「トリプルフォーカス」において注目すべき三点とは、「自己」「他者」「社会」だという。その中でとりわけ「自分が自 […]
藤原和博(2014)『もう、その話し方では通じません。』中経出版.
独り言ではなく「共感させる」話をする、とか、「相手の頭の中に書く(描く)」という感覚、とか、相手の頭の中にあるモノに例える、とか、いずれも耳が痛い話ではある。相手に共感を促したり、相手の頭の中に書くには、相手の興味関心を […]
木下理仁(2023)『難民のハテナがわかる本』太郎次郎社エディタス.
このハテナシリーズは、国籍のハテナの本に続き、分かりやすい。個人的には、UNHCRの保護対象を国内避難民に広げる転換の詳しい経緯や、緒方貞子さんの人生について興味が惹かれた。日本の難民受け入れ状況の厳しさを理解する上で、 […]
御子柴善之(2015)『自分で考える勇気:カント入門』岩波ジュニア新書
「自分の頭で考える」ということの意味を考える機会を与えてくれます。公民科などでも、義務論と帰結主義の二つのフレームから社会問題を考えるアプローチは増えていますが、現代人にとって、カントのいう義務論であったり普遍的な「良さ […]
上野泰也(2018)『No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本』かんき出版.
円高、円安とかの前にそもそも為替って何?という問いに対して丁寧に答えるところから始まるのが印象的。景気と為替の関係や、GDPと為替の関係など、他の視点と関連付けて考えられるのも本書の強みか。戦後のドル/円レートの変化が、 […]
児玉真美(2013)『死の自己決定権のゆくえ:尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』大月書店.
研究者でもあり、重度心身障害当事者の親でもある著者によって書かれた本。尊厳死などの傷害と死に密接にかかわる論点の海外動向などを詳細に示している。同時に、当事者としての体験やエピソード、過去の想いなども豊富に載っており、か […]
呉座勇一(2025)『真説 豊臣兄弟とその一族』幻冬舎新書.
時代劇などを中心に、ある程度のイメージが決まってしまっている歴史人物像を再検討していく本。実証的な裏付けという点では、秀吉の「貧しい農民出身」という出自すら意外とはっきりしないという点には最初から驚いた。有名な一夜城の話 […]
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