朱喜哲『100分de名著 ローティ「偶然性・アイロニー・連帯」』を読了。前回読んだ伊藤(2016)では、ローティの文化相対主義的(ある意味で自文化中心的)な側面が印象に残ったが、本書ではその捉えから論点が広がり、学びが多 […]
2024年3月
村上靖彦(2021)『ケアとは何か:看護・福祉で大事なこと』中公新書.
村上靖彦『ケアとは何か』を読了。最近、「ケア」という言葉を聞く機会が増えたが、本書における「ケア」の場面は、高齢者介護、重度の障害、虐待、暴力、貧困など、多様な事例が並び、非常に深刻な場面描写も多い。当事者が不条理にぶつ […]
事典執筆を担当しました。
『社会科教育事典 第3版』が出版されます。 私は「学習指導要領とカリキュラム・スタンダード」の項目を担当しました。(指名の意図は「今後もっと頑張れ」ということだと捉えました。精進します…。) 事典全体で、豊富 […]
【映画40】『アメリカン・フィクション』
映画『アメリカン・フィクション』を見終えた。市場や大衆(それもマジョリティ側)が望む差別のステレオタイプ化された物語が持てはやされる風潮を、シニカルに描いた作品。「マイノリティ」「多様性」という語は日本でもだいぶ普及した […]
唐木清志編(2023)『社会科の「問題解決的な学習」とは何か』東洋館出版社.
唐木清志編『社会科の「問題解決的な学習」とは何か』を読了。半分読んで積読になっていた。編者以外に12人の論考が載っているが、実践の示し方や主張の力点の置き方が多様で、その書きぶりの多様性自体が興味惹かれる。(例えば、問題 […]
尹雄大(2023)『聞くこと、話すこと。:人が本当のことを口にするとき 』大和書房.
尹雄大『聞くこと、話すこと。』を読了。知人の紹介で読んだ。コミュニケーションにおける傾聴や共感的理解が重要であると耳にすることもあるが、本書は、むしろ安易な「共感」のあり方に否定的だ。人が「本当のこと」を口にする場面は、 […]
デヴィッド・グレーバー著:片岡大右訳(2020)『民主主義の非西洋起源について:「あいだ」の空間の民主主義』以文社.
デヴィッド・グレーバー『民主主義の非西洋起源について』を読了。特定の起源を解明してはいないが、西洋由来の民主主義観に問題提起をする本。相対的に平等な公共的議論のプロセスを通して自分たちの課題に対処するコミュニティのやり方 […]
【映画39】『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』
映画『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』を観た。この映画は社会科の教材研究に良い。一部の人しか投票できないのは昔のことと思われがちだが、この作品は、現代の民主主義国家において、マイノリティの人々や若者が投票しにくい選挙 […]
【映画38】『バービー』
映画『バービー』を先日観た。テンポもデザインも設計されつくされていて、社会風刺感が抜群。終始笑ってしまうが、実は笑えない既視感のある何かであることは誰もが実感している感じ。 https://eiga.com/movie/ […]
中西新太郎(2019)『若者保守化のリアル:「普通がいい」というラディカルな夢』花伝社.
中西新太郎『若者保守化のリアル』を読了。本書における若者の保守化とは、「右傾化」のことではない。右肩下がりで理不尽な現代社会に対して、大きな期待をせず、今の生活の現状維持を望む考え方を指す。「生のミニマリズム(最小限主義 […]
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