読書メモ

尹雄大(2023)『聞くこと、話すこと。:人が本当のことを口にするとき 』大和書房.

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尹雄大『聞くこと、話すこと。』を読了。知人の紹介で読んだ。コミュニケーションにおける傾聴や共感的理解が重要であると耳にすることもあるが、本書は、むしろ安易な「共感」のあり方に否定的だ。人が「本当のこと」を口にする場面は、そういう時ではないと捉えている。

著者の主張が中心の章と、4人へのインタビュー記録が載っている章があり、両方とも面白い。本の主張を私の理解を基にまとめると、話す/聞く場面で、①安易に共感しないこと、②相手の意見の善悪をジャッジしないこと、③自分が自分の(内なる)声に耳を傾けるべきということ、の三点が論点かなと感じた。

三点とも理屈は分かるが耳が痛い話だ。そもそも自分の(内なる)声なんて聴こうとしたことがない。ここでの話す/聞くの方法は、仮に同じ家庭や共生生活をする相手とでも常に同じく成立するのか興味惹かれた。往々に相手との会話で感情的になりがちな場面をどう捉えるべきか。民主主義との接点を感じた。

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