読書メモ

チカイケ秀夫(2020)『原体験ドリブン:人生の答えの9割がここにある!』光文社.

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原体験とは、「現在の自分まで大きな影響を与えている過去の体験」であり、その原体験を意識することで、「自分の原点と現状を俯瞰し、未来を作っていくことに大きな力を発揮する」(p.30.)とされます。

原体験を掘り下げるための方法や事例もいくつも紹介されていて、興味深いです。

個人的に一番収穫だったのは、動機の深さを①ファッション、②テンション、③モチベーション、④ミッション、の四段階に分けている枠組みと出会えた点でした。

①「ファッション」は、見た目やカッコいいかどうかが動機です。流行っているからと何かに飛びついた経験は誰でもあるでしょう。でも流行が変わり、世の中の価値観が変わってカッコいいとみなされなくなるとやめてしまいます。動機としては一番浅いレベルです。
②「テンション」は、気分が動機になります。自分の気分が上がればやるし、下がればやめてしまいます。この動機で動く人に多いのは一時期の盛り上がりでワーッとはじめたかと思えば、突然熱が冷めてやめてしまうパターンです。
③「モチベーション」は原体験にひもづく内発的動機、自分ごとになった強い動機です。だから少々の困難があっても続けることができるレベルです。原体験ジャーニーを経て、まずめざしたいのはこのレベルになります。
④は動機の最高レベル「ミッション」です。これは原体験から導き出せる最高レベルの動機になります。自分の命を使って生涯をかけてやり続けることを支える動機、状況に合わせて手段を変えてでも使命をまっとうしようと思えるような動機です。(p.53.)

このように分けられています。
探究学習しかり、自分の興味があること、好きなことを問われる場面は増えていますが、この4分類の自分がどこに近いかという点は参考になりそうな気がします。(もちろん、子どもー教師の関係の中で、どこまで当事者の過去に踏み込むかは難しい論点です。)
今の選択を吟味する上でも原体験をたどるのが重要、というのが本書の趣旨で、その意図も理解できます。同時に、人生に整合性がなければならないのかという点は、本書を読みながら悩ましく思いました。

原体験ワークでは、①今やっていること、②時間を忘れてできること、③好きな言葉、④やりたくないこと、⑤将来やりたいこと、などを始点としながら、それぞれの自問自答やペアワークをしながら、過去の経験をたどっていく方法が示されています。
印象に残るのは、「深掘りのめやすは『3歳』前後」(p.102.)という話でした。私自身、大半の記憶が覚えているものなのか、後から美化したり再構成されたものではないかと峻別しきれないと考える傾向があり、3歳の記憶は厳しいなあと思ったりもしました。

いずれにしても、なぜ今そのことに向き合っているのか?の理由を自分の過去から探すというアプローチの大切さはよく分かります。うわべだけのチャレンジにならないようにはどうすべきか。それを考える良い機会となりました。

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