
『地方消滅』(2014)の10年後に出た続編の本です。
この10年の動向を踏まえて、「消滅可能性自治体」を再度検討しています。
その結果は、「今回の分析においては人口減少が改善する結果となっている」(p.16.)と述べられつつも、日本全体では結果が悪化しているという指摘もなされるなど、様々な点からの解釈が必要となる結果となっています。10年前の予測と比較して、移民の受け入れを想定した数値になっているという点も、この結果に対して様々な意見を呼んでいます。
今後の日本が「世代間の対立」と「地域間の対立」(pp.39-41.)が大きくなっていくのではないかと懸念を示してもいます。
そういった対立を乗り越える捉え方として「共同養育社会」(p.174.)の考え方に何度も言及されています。
また、本書では、人口減少に歯止めがかかる見通しが立っていない点にも強い不安が示されています。
それでは、なぜ、少子化・人口減少問題に関する危機感は共有されないのだろうか。第一の、そして最も大きな理由は、人口減少が止まらない社会への想像力が働きにくいことにある。「明治の初めの人口規模に戻るだけ」といった反応を耳にすることもあるが、そんな悠長な話ではない。もし人口が減少しても、それが静止人口であれば問題はまだ小さいと言えるが、そこで静止しないことが問題の根源である。かなり先ではあっても、どこかで 「人口減少が止まるという展望が持てないかぎり、絶えざる縮小が続く。(p.122.)
2014年の「選択する未来」委員会の1億人維持・超長期的には9000万人で安定、のビジョンを踏まえつつも、それを無理だと捉えて、目標を8000万人に変更しているのも、本書の特徴です。
前作よりはインパクトは弱いものの、比べて読む意味は感じました。