読書メモ

滝沢秀一(2025)『僕の仕事はごみ清掃員。』 (14歳の世渡り術シリーズ) 河出書房新社.

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ごみ清掃員として働く著者の豊富なエピソードが面白いです。清掃員としての視点から、ごみの視点からし、ひとの生活や社会のあり方まで議論が広がる感じがよいです。
読んで改めて思うのは、ごみも資源も処理するにはお金がかかるし、そこには人がいるのだということ。生活の中で、家庭ごみを出すプロセスだけだと、一見するとそこにお金を払っているという感覚が薄れる。でも税金もかかっているし(払ってもいるし)、それを運営する様々な人々もいる。コンビニのごみ箱を片付ける店員さんやごみを集めるごみ清掃員の人のことを想像できるか否かという点は、人の生活全般にかかわる大きな話なんだと考えさせられました。

この本の独特の面白さを放っているのが、著者による捨てられたものと地域の特徴の関連分析です。お金持ちが住む地域で「一度に大量のごみが出されているということ自体を見たことがあまりない」(p.97.)という話は少し驚きました。(個人的には、生活習慣の傾向性の話はある程度は理解しつつもお金持ちが、全部自分の手で分別しているのか?と少し探りたい気持ちも湧きましたが。)

後半には、日本でのごみ処理の可能時間、海外へのごみ輸送の問題なども出てきつつ、分別から世の中を変えられる(社会参加できる)、という論点に一貫した軸足があったように思います。シンプルに、この本を読むと、分別を丁寧にするモチベーションがわく本だと思います。

同時に、私たちの社会がなぜここまでごみを捨ててしまう社会なのか?について、その背景的な思想や仕組みを踏まえつつ、他の国や可能性と比較して考えていきたいなと思いました。

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