読書メモ

両角達平(2021)『若者からはじまる民主主義:スウェーデンの若者政策』萌文社.

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様々な気付きを与えてくれる本でした。

事例として詳述されているユースセンターの運営方法で「施設におけるあらゆる活動をできるだけ若者主導とするように徹底されている点」(p.99.)や、「若者は自分たちの問題に関しての専門家」(pp.124-125.)という発想、そして、「若者は社会のリソースである」という発想(p..177.)なども含め、勉強になりました。

また、ユースセンターの実態を描く際に、「スウェーデンのユースセンターの歴史に照らせば、ユースセンターから若者の「非行」は切っても切れない。」(p.11.)を指摘しながら、著者自身のスウェーデンのユースセンターでのハラハラする経験なども記述されており、ユースセンターの理想とリアルの両面が書かれているようで、その点も説得的に感じました。

そのうえで一番印象に残ったのは、本書で紹介されるスウェーデンにおける「無目的性」(p.102.)と余暇や可処分時間の重要性を強調している点です。

ここが日本とかなり異なる点なのではないかと思うと同時に、おそらくその意味を私も分かり切っていないのだろうなあと感じています。

日本ではバンド、ダンス、スケートボード、ファッションショー、ゲーム大会などの余暇活動に対して「教育的な意味」が過度に期待されることがある。そういった教育的には「無駄」とも思える若者の活動に対して、スウェーデ若者・市民社会庁も、ユースワークの現場のスサーナさんも「価値あること」だと言い切る。それは、そのような活動が将来的に他の機会の参画につながるのみならず、そもそも余暇活動や若者団体の活動を「社会参画」とみなし、それ自体に価値を見出しているからなのであろう。

p.106.

振り返ったとき、私は、余暇の時間を持てているのだろうか。持てていないとすれば何が原因なのか、など考えさせられてしまいました。

「身を粉にして働く」という表現がありますが、私の周りにも「身を粉にして」働いている同世代もいます。趣味と仕事が溶け合いながら、(ある意味では常に自己実現に燃えながら、ワクワクしながら)寝る時間以外は仕事をし続けている人もいます。
翻って、スウェーデンの市民活動家は、24時間身を粉にして働いているのだろうか。彼ら彼女らにも余暇の時間はしっかりとあるのだろうか。などと少し考えてしまいました。なんとなく、そこに私がわかり切れていない何かがある気がして。本の論点とはズレているかもしれません。。

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