読書メモ

藤井誠一郎(2024)『ごみ収集の知られざる世界』ちくま新書.

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地方自治や行政学を専門にしつつ、ごみ収集にも実際に長年関わってきた著者による本です。特に印象に残ったのは、「地域の祭り」や「震災」などが起こった際に、地域の清掃事業がどのように運営され、処理が実際に行われるのかを論じていた点です。全国的な自治体の職員数が削減される中で、清掃事業が民間委託されることが増えたとされます。でも同時に、震災などが起こった際に、清掃事業の実態は地域生活や住民自治の根幹にかかわる話として表面化していきます。そういう意味での自治の基盤としての清掃事業の意義が強調して語られていました。

同時に、清掃事業やごみ処理に直接仕事で関わらない人も、改めて、ごみ処理が自分たちの住む地域や社会で不可欠なインフラであり、一般市民の分別や廃棄の方法が、それらの不可欠なインフラとも言うべき仕事にダイレクトに(良いor悪い)影響を与えていく点を、もっと意識していかねばと再実感させられました。

また、業務作業のDX化、連携強化を含めた効率化の話、事業系廃棄物の収集実態の話、最終処分場の延命策としての、焼却残灰の資源化やペットボトルの水平リサイクルの話、職業差別の実態についても紹介がなされており、勉強になりました。

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