授業について

過去に担当した授業

これまで担当したことのある科目は、以下の通りです。
・社会科・公民科教育法1・2
・教科教育法・社会
・社会科教材論
・特別活動論
・教育課程論
・教育実践演習
・教育実習1・2

2019年度の授業内容の紹介

社会科・公民科教育法1(2019年度春学期)

社会科教育や公民科教育に対する履修者自身の授業観を形成していくことを目指します。その際に、履修者自身による模擬授業の際に感じたことや、本授業内で感じた履修者自身の学びの当事者意識を大切にするように意識したいと思っています。
「学びとは何か?」について履修者自身が討論したり、「社会科らしさ」「楽しい授業」「知識の習得・獲得」の論争点を歴史的に分析したり、教科書内容を批判的に分析することを通して、社会科の授業作りという営みを、複数の視点から捉え、自分の意見を形成できるように促したいと思っています。 そして、そのプロセスにおいて、学習指導案の作成や、発問・資料作成などの基礎的な授業スキルの向上を目指します。

【2019年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 ガイダンス。1年間の本授業の見通し、大切にしたいコンセプト、最終ゴールの共有
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第1回資料(抜粋)
第2回 社会科基礎論(1):5分間の1対1模擬授業の実施と振り返り(生徒の目線に立ってみる)
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第2回資料(抜粋)
第3回 社会科基礎論(2):ダイヤモンドランキングとレンガのゲームを通した社会科授業観の吟味
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第3回資料(抜粋)
第4回 社会科基礎論(3):「学ぶ」とは何か?:実践記録を読んで子どもの変化を考える
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第4回資料(抜粋)
第5回 社会科主題史(1):社会科はなぜ生まれたのか?――初期社会科の理念と「山びこ学校」――
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第5回資料(抜粋)
第6回 社会科主題史(2):「楽しい授業」をめぐる論争について――安井俊夫の「スパルタクスの反乱」を事例として
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第6回資料(抜粋)
第7回 社会科主題史(3):「学問の教育」か「社会の教育」か?――高校社会科解体から新学習指導要領まで-―
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第7回資料(抜粋)
第8回 社会科主題史(4):当事者としての「社会科主題史からの学び」を振り返る
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第8回資料(抜粋)
第9回 社会科教材研究(1):教科書分析と「問いを重ねる」グループワーク
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第9回資料(抜粋)
第10回 社会科教材研究(2):「教科書から見つかる疑問」の調査結果の報告・相互評価
    授業デザイン論(1):単元観と発問の機能
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第10回資料(抜粋)
【資料】学習指導案の書き方に関する考え方(社会科・公民科教育法1・2019年春版)
第11回 授業デザイン論(2):単元計画と評価規準について
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第11回資料(抜粋)
第12回 授業デザイン論(3):配布資料の作成と板書計画の検討
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第12回資料(抜粋)
第13回 学習指導案の検討・作成:相互チェックによる学習指導案の改善
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第13回資料(抜粋)
第14回 学習指導案の提出と1対1模擬授業。自己の学びの振り返り
【授業資料】「社会科・公民科教育法1」第14回資料(抜粋)
定期試験

社会科教材論(2019年度春学期)

履修者の教材づくりのスキルを高めつつ、3~4回の授業でひとまとまりの課題を設定して、グループで達成することを促しています。最終的には履修者の作成した教材の特徴と作成意図をまとめた冊子づくりをするのが、本授業の最終目標です。

【2019年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 本授業の最終課題の共有。ビデオの視聴(有田和正の教材研究について)
【授業資料】「社会科教材論」第1回資料(抜粋)
第2回 学習者の疑問をもたらす教材作りについてーー有田和正の教材論ーー
【授業資料】「社会科教材論」第2回資料(抜粋)
第3回 面白いネタ探しのグループワーク――「はてな?」を生み出すアイデア・コンペティション-―
【授業資料】「社会科教材論」第3回資料(抜粋)
第4回 グループごとでの教材アイデア発表と相互評価
【授業資料】「社会科教材論」第4回資料(抜粋)
第5回 ネタを重視する社会科教材論への批判の検討(1):長岡文雄の場合
【授業資料】「社会科教材論」第5回資料(抜粋)
第6回 ネタを重視する社会科教材論への批判の検討(2):森分孝治の場合
【授業資料】「社会科教材論」第6回資料(抜粋)
第7回 討論形式の授業資料作り(1):討論形式の授業を分析する

【授業資料】「社会科教材論」第7回資料(抜粋)
第8回 討論形式の授業資料作り(2):グループで実際に討論をして、討論用の資料の構想を考える

【授業資料】「社会科教材論」第8回資料(抜粋)
第9回 討論形式の授業資料作り(3):討論用資料を作成する

【授業資料】「社会科教材論」第9回資料(抜粋)
第10回 討論形式の授業資料作り(4):20分の討論授業の実践と振り返り
【授業資料】「社会科教材論」第10回資料(抜粋)
第11回 社会科のシミュレーションゲーム教材の体験(1):多文化共生社会のジレンマを体感する
【授業資料】「社会科教材論」第11回資料(抜粋)
第12回 社会科のシミュレーションゲーム教材の体験(2):社会保障制度のジレンマを体感する
【授業資料】「社会科教材論」第12回資料(抜粋)
第13回 最終的な成果物の作成(1):教材冊子アイデアの相互検討
【授業資料】「社会科教材論」第13回資料(抜粋)
第14回 最終的な成果物の作成(2):教材冊子の完成とリフレクション
【授業資料】「社会科教材論」第14回資料(抜粋)
定期試験

特別活動論(2019年度春学期)

学校における特別活動に関する授業を通して、学校教育における集団作りのための教育活動のあり方について探究します。具体的には、生徒会や学級会、学校行事などに関する意義を検討し、様々な論点や資料を読み進め、議論をすることを通して、履修者自身の意見を構築することを目指しています。

【2019年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。】

第1回 ガイダンス:本授業の最終ゴールを共有する
第2回 特別活動の履修者同士の経験の共有
第3回 学校教育の目的と特別活動論の目的の比較検討:ダイヤモンドランキングを通して
第4回 学級活動の運営と実践(1):学級の必要性とその語られ方の変容
第5回 学級活動の運営と実践(2):大西忠治の学級集団づくり論についての賛否両論
第6回 学級活動の運営と実践(3):民主的な学級づくりと教師の役割
第7回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(1):国内の生徒会活動の事例紹介
第8回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(2):主権者教育のプログラムの体験
第9回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(3):生徒の政治活動と旭丘中学校事件について
第10回 海外の学校の事例との比較分析:サドベリースクールを事例として
第11回 学校行事の特徴と課題(1):体育祭を通して考える学校行事の意義
第12回 学校行事の特徴と課題(2):討論「卒業式は厳粛でなければならないのか」
第13回 特別活動の意義の振り返りと発表(1):振り返りと次回の発表準備
第14回 特別活動の意義の振り返りと発表(2):最終パフォーマンス課題の発表会
定期試験

2018年度の授業内容の紹介

社会科・公民科教育法1(2018年度春学期)

社会科教育や公民科教育に対する理論的・歴史的知識を獲得しつつ、授業スキルの向上を目指します。本授業では、学習指導案の作成や短い模擬授業もする一方で、「何のために社会科教育を教えるのか?」という問いに対する答えを履修者に絶えず聞くように心がけたいと思っています。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 社会科基礎論(1):主体的に学ぶための本授業の最終ゴールの共有
14回の授業のシラバスの構成を示しながら、この授業の目的や最終ゴール、授業のコンセプト(私の授業で大切にしたい数個のバリュー)を共有しました。
そして、本授業でルーティンとして行う三つの試み(➀「振り返り・ジャーナル」(毎週)➁連載企画「新聞記事の紹介と私のツッコミ」(隔週)、➂ペアで行う社会科小テスト(隔週))の趣旨について説明しました。
また、スティーブン・ビゴー(1989)『7つの習慣』、ロジャー・コナーズ(2017)『主体的に動く:アカウンタビリティ・マネジメント』、澤井(2017)『授業の見方:「主体的・対話で深い学び」の授業改善』、無藤・馬居・角替(2017)『無藤隆が徹底解説:学習指導要領改訂のキーワード』などを参照しながら、「主体的な学び」を実現するためには、クラス全体での学びの目的意識や最終ゴールを意識することが大切であるという、新学習指導要領の「主体的な学び」の考え方についても話をしました。
第2回 社会科基礎論(2):対話と議論の違い、自分を語ることの意味について
「対話的」とは何かということについて、中原淳・長岡健(2009)『ダイアローグ 対話する組織』デイビット・ボーム(2007)『ダイアローグ――対立から共生へ、議論から対話へ 』などをベースにしながら、対話と議論の違いなどに注目しながら考えました。その際に、傾聴に使われるオープン・クエスションを用いたペアワークを行いました(オープン・クエスションの姿勢は、グループワーク全体の基盤だと考えます。)。
その上で、自分の主観的な語り(ナラティブ)の意義について触れました。その後に、履修者に、クラス内の誰かとペアを組んで、相手の社会科授業の思い出(の主観的な語り)を聴き取るように促しました。その上で、次回の授業で、聴き取りの結果を基にした「私の社会科授業の思い出」と題した記事(コラム調)を提出することを求めました。
第3回 社会科基礎論(3):深い学びとリフレクション、思考の深化をどう見取るか
授業の最初に、前回の課題である記事原稿(コラム調)を全員で共有した上で、「クラス内編集会議」を開催し、誰の記事が最もリアリティがあるのかを議論し、数枚の評価の高い記事を選定する作業を行いました。
その上で、ウィギンズとマクタイの「双子の過ち」(活動主義と網羅主義の授業の両極端な過ちの例)を導入としながら、松下佳代編(2015)『ディープ・アクティブラーニング』などをベースとして、「深い学び」の考え方について紹介しました。その上で、「知のネットワーク化」という考え方を示し、その延長線上として、「良い学びとは?」をコンセプトマップの中心に位置付けて全体像を描いてもらい、グループで共有する活動を行いました。
最後に、振り返りジャーナルを使って、「『良い学びが実現している時』とは、子どもがどんな姿の時ですか?」と題する振り返りをしてもらいました。(ちなみに、振り返りジャーナルの取り組みは、岩瀬・ちょん(2017)『「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営』をもとにして、毎授業の最後5~10分を使って実践しています。)
第4回 社会科教育実践史(1):歴史(実践史)を学ぶ意味とは何か/新学習指導要領の論争点
これから社会科教育実践史を四回にわたって学ぶにあたり、「歴史をなぜ学ぶのか?」について、議論を行いました。スティーブン・ソーントンの「社会的教育」「社会科学教育」の区別を手掛かりにしつつ、バートン&レビスティックの歴史教育観とワインバーグの歴史教育観を対比して紹介し、その上で、学生に自身が思う「歴史を学ぶ意味」を議論し、それぞれの立場を黒板に図化して可視化しました。
授業の後半では、新学習指導要領の大まかな特徴に触れました。大きな論争点として、「社会的な見方・考え方」というものが、地歴公の各分野の学習の単なる寄せ集めなのではないかという点を示しました。
最後に、第8回に実施するパフォーマンス課題について説明しました。パフォーマンス課題は、「某テレビ番組の特集で、『新学習指導要領は歴史的に新しい取り組みと言えるのか?――社会科教育実践史100年を振り返って――』と題する5分間の収録の解説者をすることになりました。」という設定で履修者が発表するというものです。
第5回 社会科教育実践史(2):日米の戦前の社会科教育/戦後初期社会科の論争点1
今からおよそ100年前のアメリカで社会科という教科が誕生した話をしました。当時の都市化、工業化、移民の流入などの社会背景の中で、社会科が誕生した話をした後で、米国の初期社会科の実践である「保健」「産業史」を分析しました。ラッグの社会問題学習やバージニアプランなど、米国では総合(融合)社会科の理念が見られた点を強調した後に、戦前日本の社会科教育史へ。
戦前の地理教育と歴史教育が「日本の歴史や国土についての細かな知識を教え込もうとする段階」「地理や歴史を通して、国民として身につけておくべき、道徳性や国民精神を涵養しようとする段階」の二段階に大まかに分けられることを説明し、当時の歴史教科書の特徴などを紹介しました。その後、主に大正時代の生徒主体の地理・歴史の実践である「応仁の乱」「中国地方」を分析したり、生活綴方や公民科などやや社会改造主義的な実践の話をしました。
最後に、戦後の初期社会科の成立背景を簡単に紹介し、初期の社会科が総合社会科を理念として誕生した話を、当時の学習指導要領の文章を紹介しながら、説明しました。
第6回 社会科教育実践史(3):戦後初期社会科の論争点2・戦後社会科実践史の論争点1
戦後の初期社会科の代表例として、西陣織の実践を分析しました。その上で、当時においては、生徒にとっての実生活の身近な問題であったり、社会全体の大きな問題を児童・生徒自身が分析していくような授業が多く見られたことを指摘しました。その後に、長岡文雄の授業記録についても検討しました。
1950年代の逆コースの流れや、中学校社会科が総合社会科から分野別編成、π型編成への変化していく流れを説明しました。その上で、初期社会科への批判として、遠山啓の生活単元学習への批判や、歴史教育者協議会からの系統主義学習の推進をする主張がなされたことを紹介しました。科学的な概念探究をしている実践として、森分孝治の「公害」の授業案を取り上げて検討しました。この授業では経済学の理論をベースにした授業設計がなされています。更に、科学的な発見のプロセスや学問の論理を重視する発想は、実は新学習指導要領でも見られる点であることを奈須正裕(2017)『「資質・能力」と学びのメカニズム』を引き合いに出して説明しました。
最後に、科学的な論理を重視した授業が、その後に「特定の学説を押し付けているのではないか?」という批判を受けること、その後に論争問題学習としての社会科授業が提案されるようになることなどを紹介しました。
第7回 社会科教育実践史(4-1):戦後社会科実践史の論争点2
授業デザイン論(1-1):学習指導案のサンプル配布・説明

最初に1970~90年代の学習指導要領の動向を説明し、生徒主体の学習が徐々に推進されていったことを確認しました。そのような文脈の中で、安井俊夫の「スパルタクスの反乱」の授業実践を分析・検討しました。高校社会科廃止についても触れました。
その上で、「真正の学力論の登場:『使える』知識をどう育成するのか?」と題して、近年に見られるようになった真正の学力観やパフォーマンス課題などの授業作りについて説明しました。石井英真(2015)『今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影』、奈須正裕(2017)『教科の本質を見据えたコンピテンシー・ベイスの授業づくりガイドブック』を参照したり、中学校社会(公民的分野)の教科書などを見て、パフォーマンス課題的なものが増えていることを確認した後、三藤・西岡(2010)『パフォーマンス評価にどう取り組むか―中学校社会科のカリキュラムと授業づくり』に出てくるパフォーマンス課題と単元作りの例を説明しました。
その上で、新学習指導要領で言われる「見方考え方」に関わる授業例を示し、私自身が考える、新しい学習指導要領への想いを述べました。
授業の後半では、学習指導案のフォーマットやサンプルを提示して説明を行いました。
第8回 社会科教育実践史(4-2):社会科教育実践史を踏まえたパフォーマンス課題の発表会
授業デザイン論(1-2):教科書記述から問い(疑問)を生み出す練習

授業の前半では、第4回の授業で決定したパフォーマンス課題(「テレビ番組特集『新学習指導要領は歴史的に新しい取り組みと言えるのか?――社会科教育実践史100年を振り返って――』)を実施しました。解説担当者には解説用のボードとカンペを用意してもらって、テレビ解説風に発表してもらいました。私も特番用のBGMと撮影用のカチンコを用意して、謎のやる気で臨みました。
授業の後半では、社会科教科書の記述内容について検討しました。社会科の教科書記述は、一見すると客観的で論理的に書かれていると思いがちですが、じっくり読むと、論理的に不明確だったり、文意を理解するには行間がある(こちらが文意を汲み取らないと理解が困難である)箇所が少なくないこと、特に社会的な出来事や現状の原因などについては説明していない箇所が多いこと、言い換えればツッコミができる箇所が多いことなどを説明しました。そして、ツッコミの答えは、教科書にも書かれておらず、市販の資料集にも載っていないことが多いという話をしました。(例えば、「なぜ日本は議員内閣制をとっているのか?」という問いに答える説明は、教科書や資料集ではなかなか見つかりません。)。また、こういった背景を教師が理解していないと、結局は授業が暗記目的のものになってしまうこと、だからこそ教師は、教科書を批判的(否定的という意味ではなく)に読んで背景理解をする必要があることを説明をしました。
これらのことを幾つかの教科書記述で事例的に示した後、教科書記述にツッコミを入れる活動のための時間をとりました。ツッコミを入れるというのは、連載企画「新聞記事の紹介と私のツッコミ」でもやっている作業なのですが、文章に対して「それホント?」「なぜそうなる?」などのツッコミを入れながら読んでもらう活動です。(新聞のツッコミ企画自体は、下村健一(2015)『10代からの情報キャッチボール入門――使えるメディア・リテラシー–』をもとにして企画しました。)
授業の最後に、振り返りジャーナルを使って、今まで「これまで、教科書の文章とどのように向き合ってきましたか?皆さんの過去の経験を振り返ってみてください。」というテーマで振り返りの時間をとりました。
第9回 授業デザイン論(2):図書館に出かけて教材研究する
前回の教科書記述にツッコミを入れる授業の続きです。前回配ったワークシートに従い、興味のある教科書ページ(見開き1ページ)に3個以上は教科書記述にツッコミを入れてきてもらっている状況を前提としています。
そこで、教科書に自分たちで入れたツッコミの答えを探すために、各自で図書館に調査に行く時間をとりました。読むと良さそうな本(新書や概説書、資料が豊富な本など)を大まかに指定しつつ、後は現地で自由行動。授業の最後5分前に教室に戻り、振り返りジャーナルによって、振り返りを行いました。
ちなみに、自由行動を開始する前に、次回の授業までの「社会科教材研究の報告資料」を提出するように指示をしています。
第10回 授業デザイン論(3):配布・提示資料の作成・板書計画の検討
授業時における発問の機能や種類について、最初に説明しました。様々な分類や意図が考えられますが、本授業では、「図表資料を読みとったり、生徒と会話をすることで、学習対象への関心を高める」「生徒の疑問を引き出したり、予想と根拠の関係を意識させ、考えを生み出させる」「『導入の発問群』⇒『主発問』の連続性を意識する」の三点に言及しました。また、発問は知識だけを問うようなものであったり、誘導尋問のような発問ばかりではなく、一回目に生徒が答えやすい問いを出し、その上で生徒の答えに対する根拠・理由を続けて尋ねられる発問(二段階発問)が良いという話をしました。その上で、教師と生徒の発問と対話をベースにした授業の導入を検討しました。地理・歴史・公民のそれぞれの導入を示し、➀どの授業の導入の流れが一番しっくりくるか➁それはなぜか、の二点を各履修者に書き出してもらい、異なる意見を持っているメンバー同士でグループになって、意見を共有しました。その後に、発問をベースにした授業の導入の例をビデオで視聴しました。
授業の後半は、板書について検討しました。青柳 慎一(2015)『中学校社会科 授業を変える板書の工夫45』をベースにしながら、板書のポイントして「生徒の理解を図る『事象の構造が見える板書』を工夫する」「地図や図などを使った『ビジュアルな板書』を工夫する」「授業の流れが分かる『計画的な板書』を工夫する」「生徒の主体的な学習を支える『生徒とつくる板書』を工夫する」の四点を説明し、典型的な板書例を示しました。その上で、6つの板書の事例(地理二つ、歴史二つ、公民二つ)を素材にして、履修者にどれか一つの担当になってもらいました。自分の担当の板書例について詳しくなった後、地歴公の分野の異なる人と3人グループを組んで、お互いの担当の板書例について説明をし合いました。
最後に、ワークシートの例を配布資料で紹介し、思考ツールなどについても言及しました。
第11回 授業デザイン論(4):授業アイデア構想の発表
これまでの授業内容を踏まえて、各履修者の授業アイデアの構想をグループに分かれて発表しました。発表をする際には、教科書見開き1ページを選んでもらい、(1)主発問、(2)導入で提示する資料、(3)本質的理解(この範囲で一番理解して欲しい内容の要約)を紹介し、その上で、授業の流れを説明してもらいました。グループごとでお互いの授業アイデア構想に関して、相互評価をしたり、意見交換を行いました。
第12回 学習指導案の検討・作成(1):学習指導案の様式・意図に関する最終説明
前回の授業アイデア発表を受けて、学習指導案の作成に関するおさらいをしました。
最初に、単元計画や評価規準、目標設定の仕方など、間違えやすい点を斉藤が説明しました。その上で、以前に配ってある学習指導案の作成に関する解説書(斉藤自作)の内容を読んできて、疑問にある点などをグループで共有し、クラス全体でも意見を共有しました。
第13回 学習指導案の検討・作成(2):相互チェックによる学習指導案改善
学習指導案を一通り埋めてきてもらい、履修者同士で、指導案の内容の相互チェックを行いました。相互チェックに関しては、学習指導案の形式面のミスを減らすために、事前にチェックリストを作成しておき、お互いの指導案をチェックリストに従って採点・添削していく方法をとりました。
また、次回の模擬授業の趣旨・設定などについて、確認を行いました。
第14回 ミニ模擬授業とリフレクション
学習指導案を提出してもらい、5分間の模擬授業を行いました。模擬授業は5人一組のグループで行って貰いました。
模擬授業後には、これまで書き溜めて13回の振り返りジャーナルを読み返して、前期の授業全体を行いました。
定期試験

社会科・公民科教育法2(2018年度秋学期)

教育法2では、模擬授業と検討会が中心を占めます。
一回目の模擬授業は、模擬授業者に対してサポーターを2名設定し、事前に指導案の検討や模擬授業の練習してから、当日の模擬授業を迎えるように促しています。模擬授業の検討会は、模擬授業の翌週に実施し、検討会は履修者による司会・論点の立案のもとで進行していきます。
二回目の模擬授業では、同じ単元を複数名に模擬授業化してもらい、履修者による個性的な授業を促すとともに、クラス全体で、同一単元のより良い授業作りの構想について議論を重ねていきたいと思っています。2回目の模擬授業でもサポーターを設定していきます。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回  ガイダンス(本授業のコンセプト、最終目標、14回のプロセスの共有)。模擬授業の趣旨説明。本や映画から授業アイデアを考える
後期の社会科・公民科教育法2の目的を話すにあたって、定期試験で出す3題の問題の趣旨を説明しました。それがこの14回のゴールになるからです。1人当たり2回行う模擬授業の趣旨についても詳しく説明しました。また、夏休みに調べてきてもらった本や映画の紹介資料をまとめたものを配り、皆で面白い本紹介・映画紹介の記事を選んで、互いの意見を共有する時間をとることで、次回提出の学習指導案作りへのアイデアを深めました。

第2回  模擬授業に向けた学習指導案の相互検討会
この日に提出締切の学習指導案をグループでお互いに共有し、検討しました。模擬授業にむけて、今の指導案の流れや教材で良いかなどについて、意見交換をする時間をとりました。

第3回  協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(1)
第4回  協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(2)
第5回  協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(3)
第6回  協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(4)
第7回  協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(5)

第3回~7回の授業では、「協働的な授業観形成のための模擬授業」と題した模擬授業を1人1回ずつ行いました。
模擬授業は1人10分です。
この5回でやった模擬授業と検討会の流れ・趣旨をまとめると、以下の通りです。
(1)模擬授業者一人に対してサポーター役を2人設定し、サポーター役は、事前に担当者の模擬授業と指導案を見てフィードバックをしておく。
(2)模擬授業を実施。だいたいは1日二人ぐらい。模擬授業中はサポートは生徒役にならずに、完全な授業観察者に徹する。
(3)模擬授業後2日後までに、生徒役は模擬授業に対する感想レポートを書く。感想レポートのフォーマットなどは事前に指定しており、模擬授業10分だけでなく、指導案全体を見て感想を書くように促しています。(感想レポートを書く際には、「出来る限り、授業の代案となるアイデアを述べる」ことを強調しています。)
(4)授業者は、自分の授業の音声データを記録し、書き起こし資料を作成する。(次回の検討会で利用する。)
(5)模擬授業者とサポーターは感想レポートを全部読み、検討会の論点を立てる(論点は斉藤が事前にチェックする)。
(6)検討会の司会・運営はサポーターがする。検討会の最初に授業者の意見を感想を聞き、感想レポートと書き起こし資料を読む時間を経た後に、全体での検討会を行う。(検討会の進行は基本的にサポーターに任せる。斉藤は介入しない。)
(7)検討後数分で、斉藤が各授業に対して感想レジュメを配って自分の意見を話す。良い感想レポートや発言を出来ていた学生についても言及する。
(8)授業者、サポータは後日に振り返りレポートを提出する。

第8回  ICT機器を使った授業作りの検討
この授業では、デジタル教科書の事例を実際に紹介したり、ICTを用いた授業実践などのビデオ動画などを視聴した後に、「ICTは社会科授業を劇的に変えるのか?」をテーマにしたディスカッションを行いました。

第9回  同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(1):政治的分野の場合
第10回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(2):経済的分野の場合
第11回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(3):国際社会の分野の場合
第12回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(4):現代社会の諸問題を扱う場合
第13回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(5):倫理的分野の場合

第9~13回の授業は一連のまとまりを持った模擬授業となっています。
この模擬授業では、1人10分で、斉藤が指定した同じ範囲を二人の履修者に模擬授業の実施(と指導案作成)をしてもらいます。
この5回でやった模擬授業と検討会の流れ・趣旨をまとめると、以下の通りです。
(1)模擬授業者一人に対してサポーター役を2人設定し、サポーター役は、事前に担当者の模擬授業と指導案を見て、フィードバックをしておく。授業者は、斉藤が配布した「授業検討シート」を使って、授業者が「社会科の授業を通して獲得させたい力」など、授業作りの際のこだわりを明記してもらっています。
(2)模擬授業を実施。だいたいは1日二人ぐらい。模擬授業中はサポートは生徒役にならずに、完全な授業観察者に徹する。
(3)模擬授業後2日後までに、生徒役は模擬授業に対する感想レポートを書く。感想レポートのフォーマットなどは事前に指定しており、模擬授業10分だけでなく、指導案全体を見て感想を書くように促しています。感想レポートでは、二人の授業を比較した上で、「1.各授業者は、担当範囲をどのように受け止めていたか?」「2.そこには、どのような多様性が見られたか?なぜ違ったのか?」「3.A、Bが本当にしたかったことは何か?どうすべきだったのか?(皆さんのアイデア)」の三点について論じてもらっています。一周目の模擬授業の感想レポートの趣旨が「代案を提示する」ことだとすれば、2周目の模擬授業の感想レポートの趣旨は、「授業者のこだわりに寄り添った上で、そのこだわりを実現するようなより良いアイデアを提案する」ということになります。
(4)授業者は、自分の授業の音声データを記録し、書き起こし資料を作成する。(次回の検討会で利用する。)
(5)模擬授業者とサポーターは感想レポートを全部読み、「二人の授業者のこだわりの違い」「検討会の論点」を整理し、検討会の司会に備える。論点整理の作業には斉藤も加わる。
(6)検討会の司会・運営はサポーターがする。検討会の最初に授業者の意見を感想を聞き、感想レポートと書き起こし資料を読む時間を経た後に、全体での検討会を行う。検討会では、二人の模擬授業を比較しながら、お互いのこだわり・授業観の違いを可視化し、それぞれのこだわり・授業観に応じた授業の改善案を全体で検討する。(検討会の進行は基本的にサポーターに任せる。斉藤は介入しない。)
(7)検討後数分で、斉藤が各授業に対して感想レジュメを配って自分の意見を話す。良い感想レポートや発言を出来ていた学生についても言及する。
(8)授業者は後日に振り返りレポートを提出する。

なお、この2周目の模擬授業と検討会では、「仮に同じ範囲であっても、授業者の授業観によって様々な授業作りが可能であること」、「授業の上手い下手の優劣ではなく、授業者のこだわりに寄り添った授業作りが求められること」「授業検討会は、模擬授業者自身が充実感を感じられる場であるべきということ」を経験的に皆で学んでいくことを目指しています。

第14回 1年間の授業の振り返り
(前半は前回の模擬授業の検討会です)
一年間の振り返りジャーナルの記録を読み返しながら、最後の振り返りジャーナルを書いてもらう。その上で、お互いの授業に対する感想を述べあいます。

定期試験
この授業のガイダンスで話したテストの内容を実施します。

社会科教材論(2018年度春学期)

履修者の教材づくりのスキルを高めつつ、3~4回の授業でひとまとまりの課題を設定して、グループで達成することを促しています。最終的には履修者の作成した教材の特徴と作成意図をまとめた冊子づくりをするのが、本授業の最終目標です。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 社会科教材基礎論(1):本授業の最終課題の共有、新聞記事から授業アイデアを考える
14回の授業のプロセスや最終ゴールなどについて、山登りに喩えて(1合目、2合目・・・など)説明・共有しました。また、身近な教材を考える導入として、新聞が教材になる事例について紹介しました。

第2回 社会科教材基礎論(2):新聞記事と授業アイデアの検討、事例考察
事前に、教科書内容の事例となりそうな新聞記事を集めてきてもらっています。この授業では、その新聞をお互いに紹介しあい、お互いのアイデアを相互評価しました。また、紹介する際には、相手の発表に寄り添って聞く「オープンクエスチョン」が大切だという話もしました。

第3回 社会科教材基礎論(3):魅力ある提示資料・教材の事例的分析
教科書以外の教材を導入に示しながら、授業を展開している事例を複数紹介しました。
学校現場で行われている授業動画を幾つか視聴し、その内容について議論しました。

第4回 社会科教材基礎論(4):社会科教材の加工の方法
教材作りの一環で、導入の提示・掲示資料の作り方の一例を説明しました。また、それに関連した授業をしているビデオ動画を見て、議論しました。
また、安井俊夫の教材研究の方法を取り上げ、教材研究をする際のプロセスや方法についても考えました。

第5回 社会科教材基礎論(5):教材アイデアのブース発表会
履修者全員が、独自の教材アイデアを模造紙で発表しました。発表はブース形式で行い、3ターンに分けて発表を実施しました。発表者以外の履修者は、教室を自由に立ち歩き、発表者の話を聞いたり質問する時間となりました。

第6回 フィールドワークを踏まえた教材開発(1):平塚市博物館への訪問
東海大学湘南キャンパスは平塚市にあるのですが、地域博物館として有名な「平塚市博物館」に皆で見学に行きました。現地では、スタッフの方に館内の展示物について説明して頂き、その後に自由行動の時間としました。また、感想レポートでは、どの展示物に特に興味を持ったか?その展示物はどのように社会科授業に活かせそうか?について、書いてもらっています。

第7回 フィールドワークを踏まえた教材開発(2):グループで協働した教材づくり
事前に、博物館見学で印象に残った展示物のアンケートをとっています。その上で、同じ関心を持っている履修者をグループでまとめています。この日の授業では、博物館見学を踏まえて、博物館で見た展示物を生かした授業アイデアを作れないか、グループに分かれて検討しました(次回をグループ発表に設定)。発表の趣旨としては、「博物館見学をした翌日に、社会科授業をするとすれば、博物館の経験を生かしたどんな授業作りをしますか?」というものです。範囲は問わず、地歴公なんでも良いことにしました。

第8回 フィールドワークを踏まえた教材開発(3):ゲストを迎えた教材発表会

学生がグループごとで教材アイデアを発表しました。発表の際には、東海大学の博物館学の先生をゲストにお招きして、発表アイデアを聞いて頂きました。また、グループ発表が終わった後には、ゲストの先生に、発表への講評と、博物館利用の可能性についてもお話頂きました。

第9回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(1):シミュレーション・ゲーム体験
東海大学のある平塚市で活動をされているライフリテラシー代表の加藤千晃さんをお招きして、「ライフリテラシー・ゲーム」と題するボードゲームを体験しました。このゲームは、社会保障制度について、人生ゲームのようなすごろくを取り入れて、学んでいくものです。
ゲームが終わった後に、加藤さんに「なぜこのような教材を作ろうと思ったのか?」についての経緯や背景、意図をお話し頂きました。またその後に、斉藤が社会科教育におけるゲーム学習者シミュレーション学習の事例や意義についても紹介しました。

第10回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(2):体験した教材の新たな案を考えよう
前回のゲームを体験した経験を踏まえ、履修者には、「ゲームのここを改善するともっと良くなるのではないか?」という改善のアイデアのレポートを提出してもらっています。この第10回の授業では、似たような改善アイデアを提出した履修者同士でグループを編成し、グループで具体的な発表ができるように準備をしました。グループ自体は教員が編成しておきます。発表は模造紙で行って貰い、具体的な改善提案をしてもらうように促しました。

第11回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(3):再びゲストを迎えて教材アイデア発表会
前回のグループでの議論を踏まえ、この日の授業では、ゲーム教材の改善アイデアを発表してもらいました。発表の際には、第9回の授業に来ていただた加藤さんに再訪して頂き、全グループの発表を聞いてもらい、感想などもお話し頂きました。また、お互いの授業アイデアについても共有した後で、履修者同士の感想を共有し振り返る時間をとりましました。

第12回 最終的な成果物の作成(1):リフレクションと最終発表教材づくりに向けたアイデア共有
これまでの11回の授業を踏まえて、「良い教材とは何か?」について考えたことを共有しました。その後で、今回の授業の第14回で完成させる教材冊子について、各履修者が作成するフォーマットを説明しました。

第13回 最終的な成果物の作成(2):教材冊子用の発表アイデアの検討
最終的に冊子にする資料作成に向けて、最終調整を行いました。履修者はそれぞれの教材アイデアを持ち寄り、グループで簡単に発表し、意見交換を行いました。資料提出は、この授業の4日後です。

第14回 最終的な成果物の作成(3):教材冊子の完成・発表とリフレクション
全履修者が提出済の資料を印刷しまとめた資料を全履修者に配りました。最後に冊子を綴じる製本作業は、履修者各々に行って貰いました。
製本をした冊子を使って、自分の授業アイデアをグループで発表し、意見交換をする時間をとりました。また、社会科教材論の全14回の授業で印象に残ったことについても、各々で振り返りました。

定期試験
定期試験では、第14回に作った教材冊子を使って、問題をいくつか出しました。

特別活動論(2018年度春・秋学期)

学校における特別活動に関する授業を通して、学校教育における集団作りのための教育活動のあり方について探究します。具体的には、生徒会や学級会、学校行事などに関する意義を検討し、様々な論点や資料を読み進め、議論をすることを通して、履修者自身の意見を構築することを目指しています。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。】

第1回 ガイダンス:本授業の最終ゴールを共有する
この授業のコンセプトや最終的に達成したいゴールについて説明しました。

第2回 履修者の特別活動に関する語りから見る特別活動の意味付け
履修者同士が、中学校・高校時代の学級活動や生徒会、学校行事にどのような思い出があるかを書き出して、お互いに聞き取りをし合う活動を行いました。思い出に関しては事前にレポートに簡単にまとめてきてもらい、思い出をペアの人に説明をする際は、思い出を4つのキーワードにまとめて説明してもらいました。その上で、さらに他者から聞いた思い出を、グループになって別の人に話すという活動をすることを通して、多くの履修者の思い出を共有することを促しました。

第3回 ダイヤモンドランキングを通して考える特別活動論の意義と目的、歴史
特別活動の学習指導要領やテキストなどから、特別活動で育てるべき9つの力をカードにして、その優先順位をつける「ダイヤモンドゲーム」を実施しました。お互いの優先順位を比較し合った後に、それぞれの力を「集団重視・個人重視」「適応重視・創造重視」の二軸で四象限を作り、そこに位置付ける作業をグループで行いました。
後に、それぞれの目標をいくつかの分類ができることを解説しました。授業の後半では、特別活動の歴史をまとめたレジュメを配り、その内容を各自に4枚の紙芝居にまとめてもらい、発表して貰うという作業を行いました。

第4回 学級活動の運営と実践(1):討論形式で考える学級での議論の方法
学級活動において、合意形成が必要とされている理由や背景などを説明した後に、グループになって討論をしてもらいました。討論のテーマは、「複数の部活動がそれぞれの言い分がある状況の中、限られた体育館のスペースをどう利用するか?」にしました。設定などを配布した上で、各部活の立場になりきってもらい、どうすれば合意形成できるのかを皆に考えてもらいました。

第5回 学級活動の運営と実践(2):対話的な話し合いの方法とキャリア教育の実践紹介・体験
話し合いの進め方に議論と対話があることを説明した後に、クラスでの傾聴を重視した聞き合いが大切であるという話をしました。その上で、対話としての「オープンクエスション」の練習をするために、お互いの将来像を共有する「未来同窓会」というアクティビティを行いました。未来同窓会は、50年後の自分についたお互いが語り合いながら、今と未来を繋げて発表者に話してもらう活動です。未来同窓会の活動をした後に、キャリア教育についても簡単な紹介をしました。

第6回 学級活動の運営と実践(3):ホワイトボードを活用した議論と論点の可視化
話し合いを進める際に、可視化をすることが重要であることを体験する内容です。授業では「ホワイトボード・ミーティング」の手法を取り入れた話し合い活動を体験してもらいました。話し合いの際には、【発散】【収束・構造化】【活用】【発表】の4ステップを意識しながら、「校外学習で行ってみたい場所」についてグループ内で話し合い、候補を絞ってもらう作業をしました。

第7回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(1):国内での先進事例の分析(松本深志高校の実践をもとに)
生徒会活動に関する学習指導要領の文章から、重要だと思うキーワードを各自が選んでもらい、それを発表・整理するような作業をしました。その上で、長野県松本深志高等学校の生徒会活動の動画を二本観ました。1本目の動画は、生徒会の予算配分の会議について。2本目の動画は、近隣住民との騒音問題の解決についてです。いずれも生徒主体で行われる活動を動画で見た後、「皆さんは、これらの問題解決は教師に任せればよい(生徒の役割ではない)と思いますか?」という問いのもとで、賛否の議論をしてもらいました。

第8回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(2):大学における学生自治との比較を通して
前回の高校での生徒自治の事例をさらに深める意味で、大学における学生自治がなぜ盛り上がらないのかを履修者に考えてもらいました。導入で、複数の大学において、学生自治が機能しなくなっていることを示した資料を配布します。その上で、履修者自身の学生生活を振り返ってもらい、「大学側に自分たちの言い分を聞いてほしいと思った瞬間はあるか」という論点で、議論をしてもらいました。その上で、「仮に、提案するならどんな仕組みや取り組みを提案するか?」を議論してもらい、数名に次回の授業の際に模擬選挙の候補者役になってもらう了解を得ました。

第9回 生徒会活動と学校運営への生徒の参加(3):模擬選挙の実践と主権者教育の実践紹介・体験
前回の大学自治の内容を引き継ぎ、数名の履修者に大学に取り入れたい仕組み・取り組みに関するアイデアを発表してもらいました。発表後に模擬投票を行い、開票をしました上で、簡単な振り返りを行いました。授業の後半では、近年の主権者教育の実践が多くなされていることに触れ、街の空き地開発に関する主権者教育教材を実際に生徒に体験してもらいました。

第10回 海外の事例を通して日本の特別活動のあり方を考える(サドベリー・バレー・スクールの実践の検討)
生徒による学校自治を考えるために、米国のサドベリーバレースクールの事例について考えました。サドベリーバレー校に関する紹介動画を見た後で、ロジャー・ハートの「参加のはしご」について説明しました。その上で、「『サドベリー・バレー・スクール』の考え方を日本の学校に取り入れることに賛成ですか?反対ですか?」を論点にして、賛否についてクラス全体で討論をしました。最後に、サドベリースクールの日本での普及状況についても簡単に説明しました。

第11回 学校行事の特徴と課題(1):ディベートを通して考える学校行事の意義(巨大組体操は認められるべきか?)
授業の前半では、学校行事を5つの範囲(「儀式的行事」「文化的行事」「健康安全・体育的行事」「旅行・集団宿泊的行事」「勤労生産・奉仕的行事」)に各担当者を設定し、お互いの担当に関する資料を配り、担当を紹介しあう活動を行いました。その上で、体育祭に焦点を当てて「巨大組体操は認められるべきか?」をテーマにした討論を行いました。討論の際には、新聞記事と異なる主張をする専門家の意見、データなどをまとめた資料を配布した上で、「組体操そのものを全廃するべき」「巨大組体操を全廃し、安全な組体操を残す」「教員への指導を徹底できた場合に限り、巨大組体操を実施する。」の三択から自分の意見を選んで討論をしてもらいました。最後に小学校の運動会の時短が進むことを取り上げた記事を紹介し、学校行事の意義について、各自が振り返るように促しました。

第12回 学校行事の特徴と課題(2):校外学習のプラン提案
履修者には、事前に校外学習の行き先を提案してもらうように、レポート作成を促しています。提案の際には、必ず下見をしてくることを条件にしています。この日の授業では、お互いの校外学習のプランについて紹介しました。行き先、当日のスケジュール、この見学を通して生徒に学んでほしいこと、見学の事前事後の工夫、下見に行って気づいたこと、などをスライドを使って発表して貰います。発表を聞く側は、発表内容を「楽しさが多い、少ない」「学びが多い、少ない」の二軸の4象限に位置付ける作業をすることを通して相互評価を行いました。

第13回 特別活動の計画と提案(1):これまでの授業の振り返りと最終パフォーマンス課題に向けた検討
これまでの授業の内容を振り返りながら、特に印象に残った思い出などをお互いに述べあう時間をとりました。その後、次回のパフォーマンス課題に関する説明や、定期試験の細かい趣旨説明を行いました。

第14回 特別活動の計画と提案(2):最終パフォーマンス課題:「特別活動はなぜ必要なのか?」をプレゼンする
「「特別活動不要論」を唱える人(進学率向上を至上命題とする人)に対して、どのように説得するか?」をテーマに、各自が作ってきた発表資料(A3用紙2枚に手書きorPCで編集)をもとにして、発表を行って貰いました。ちなみに、このテーマ設定自体は、第1回の授業時から説明しています。発表を聞く側の人(斉藤含む)は、発表に対する反論を考えてもらうように促し、発表後に質疑・討論をするようにしました。

定期試験

教育課程論

その他、今年は教育課程論を担当しています。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 カリキュラムとは何か(1):大学生活の学びの履歴を振り返る
カリキュラムとは何か?を振り返る授業です。カリキュラムに何種類かの定義があることを説明した後、計画されたカリキュラムと経験としてのカリキュラムの違いを体験するために、模造紙と付箋でアクティビティをしました。模造紙には、数年間の教職で学んだ授業の流れと大まかな内容を書いた上で、履修者にとっての、これまでの学びの記憶・印象を付箋で書いて貼っていってもらいました。それによって、計画したり意図したカリキュラムと実際に学習者にとってのカリキュラムが異なることを説明しました。

第2回 カリキュラムとは何か(2):学ぶ「べき」内容とは何か
『セイバートゥース(牙トラ、旧石器時代)のカリキュラム』という本の要約を読んでもらい、人類の技術が進歩する中で、「教えるべき内容」のとらえ方が変わり、カリキュラムが「主戦場」となることをイメージしてもらいました。授業の後半では、この話で出てきた、社会的ニーズや形式陶冶に関するキーワードなどを基にして、履修者にとって重なるような経験がないか、議論をしました。振り返りとして、「レリバンス」の概念を使って、「即自的」「将来的」「個人的」「社会的」の四象限の軸で学ぶべき内容の議論を整理できるという話をしました。

第3回 カリキュラムの歴史(1):総合学習と教科について
授業の前半では、既存の9教科の科目を用いて、ダイヤモンドランキングゲームをしました。ランキングの順位を決めてもらった後に、その理由について意見を共有しました。教科が誕生した歴史停な背景について簡単に説明した後、カリキュラム編成の仕方には、教科カリキュラムと経験カリキュラムの二通りがあることを説明し、校舎の事例としてシカゴの実験学校の例を提示しました。その上で、教科カリキュラムと経験カリキュラムのいずれが自分は好みかを決めてもらい、その理由について議論しました。

第4回 カリキュラムの歴史(2):カリキュラム作りの構成要素の多様性
履修者には、事前に小林誠著『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』(講談社、2018年)と海老原治善『民主教育実践史―国民教育創造のために』(三省堂、1968年)の抜粋資料を読んで、要約・感想文を書いてきてもらっています。授業の導入でサドベリーバレースクールの紹介動画を見せ、生徒が自分で学ぶ内容を決めるやり方についての賛否を聞いた上で、戦前のドルトンプラン、奈良女子附属小、戦後の川口プラン、経験主義教育批判などの事例を検討していきました。まとめとして、カリキュラづくりの構成要素として、「科学」「子ども」「社会」があることを指摘し、三つの要素で三角形を作った上で、この一時間で紹介したカリキュラム例がどの要素に偏っているかについて整理しました。

第5回 カリキュラムにおける評価論:何のための評価なのか
履修者は、事前に黒澤明監督の『羅生門』を視聴してきています。授業の最初に映画の感想を共有し、今日の授業のテーマが「工学的アプローチと羅生門的アプローチ」であるという話をしました。その後、ビジネス系の自己啓発本を例に出し、何かの目標達成を目指す際に、「行動目標を立て、それを遂行していくスケジュール方法のメリット・デメリットとは?」と題して議論しました。西岡加名恵『新しい教育評価入門』(有斐閣、2015年)をテキストにして、相対評価と絶対評価の違いを整理し、「目標に準拠した評価」と「目標にとらわれない評価」のいずれが良いと思うかについて、事例をもとに議論をしました。

第6回 教科書分析と単元計画の事例検討
中学校社会科の教科書の目次の項目だけを箇条書きにした資料を履修者に渡した上で、その箇条書きをどういう風に区分け・分類すると説明がしやすいかを考えてもらい、発表して貰いました。その上で、教育内容には大まかなまとまりとしての「単元」としての考え方があることを説明しました。その次に、単元の流れを意識する試みとして、パフォーマンス課題について紹介しました。一単元の総括をするためには、ゴールになるような最終課題の設定がいること、そして、その最終課題を達成するための、スキルや知識、思考の訓練をするプロセスとして、単元を構成すべきであるという話をしました。その他、ビジネス書の内容などを紹介しながら、PDCAサイクルを回すためには、ゴールを意識した計画を立てることが重要であるという話もしました。その上で、履修者にとって身近な教科の例を出して、パフォーマンス課題と単元計画を作るように、第8回の授業に向けての課題(宿題)の条件や詳細を提示しました。

第7回 見えないカリキュラムと権力:学校と都市設計の対比から
授業の最初に、パノプティコンという考え方に基づいて作られた刑務所の設計を見せました。その上で、なぜこのような刑務所の作りにしたのかを考えてもらいました。関連する事例として、アンチ・ホームレス建築の事例を紹介し、「アーキテクチャ」の考え方を紹介しました。その次に、宮本健市郎著『米国の時間と空間の教育史』を参照しながら、米国教育史における「教会モデル」「工場モデル」「家庭モデル」の特徴を説明し、履修者にまとめてもらいました。この事例を通して、学校や教室の設計自体が、授業のあり方を規定しているという点に注目しました。その上で、「工場モデルと家庭モデルのどちらが良い教育だと思うか?」をテーマにして、意見交換を行いました。

第8回 単元計画構想の発表と振り返り
履修者が作成してきたパフォーマンス課題と単元計画について発表してもらい、自己評価をしてもらいました。
その上で、これまでの授業の振り返りとして、「カリキュラム」というキーワードに据えた、マインドマップを作ってもらい、そのマインドマップの特徴や意図について、履修者自身に説明してもらいました。