2018年度 社会科教材論

履修者の教材づくりのスキルを高めつつ、3~4回の授業でひとまとまりの課題を設定して、グループで達成することを促しています。最終的には履修者の作成した教材の特徴と作成意図をまとめた冊子づくりをするのが、本授業の最終目標です。

【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】

第1回 社会科教材基礎論(1):本授業の最終課題の共有、新聞記事から授業アイデアを考える
14回の授業のプロセスや最終ゴールなどについて、山登りに喩えて(1合目、2合目・・・など)説明・共有しました。また、身近な教材を考える導入として、新聞が教材になる事例について紹介しました。

第2回 社会科教材基礎論(2):新聞記事と授業アイデアの検討、事例考察
事前に、教科書内容の事例となりそうな新聞記事を集めてきてもらっています。この授業では、その新聞をお互いに紹介しあい、お互いのアイデアを相互評価しました。また、紹介する際には、相手の発表に寄り添って聞く「オープンクエスチョン」が大切だという話もしました。

第3回 社会科教材基礎論(3):魅力ある提示資料・教材の事例的分析
教科書以外の教材を導入に示しながら、授業を展開している事例を複数紹介しました。
学校現場で行われている授業動画を幾つか視聴し、その内容について議論しました。

第4回 社会科教材基礎論(4):社会科教材の加工の方法
教材作りの一環で、導入の提示・掲示資料の作り方の一例を説明しました。また、それに関連した授業をしているビデオ動画を見て、議論しました。
また、安井俊夫の教材研究の方法を取り上げ、教材研究をする際のプロセスや方法についても考えました。

第5回 社会科教材基礎論(5):教材アイデアのブース発表会
履修者全員が、独自の教材アイデアを模造紙で発表しました。発表はブース形式で行い、3ターンに分けて発表を実施しました。発表者以外の履修者は、教室を自由に立ち歩き、発表者の話を聞いたり質問する時間となりました。

第6回 フィールドワークを踏まえた教材開発(1):平塚市博物館への訪問
東海大学湘南キャンパスは平塚市にあるのですが、地域博物館として有名な「平塚市博物館」に皆で見学に行きました。現地では、スタッフの方に館内の展示物について説明して頂き、その後に自由行動の時間としました。また、感想レポートでは、どの展示物に特に興味を持ったか?その展示物はどのように社会科授業に活かせそうか?について、書いてもらっています。

第7回 フィールドワークを踏まえた教材開発(2):グループで協働した教材づくり
事前に、博物館見学で印象に残った展示物のアンケートをとっています。その上で、同じ関心を持っている履修者をグループでまとめています。この日の授業では、博物館見学を踏まえて、博物館で見た展示物を生かした授業アイデアを作れないか、グループに分かれて検討しました(次回をグループ発表に設定)。発表の趣旨としては、「博物館見学をした翌日に、社会科授業をするとすれば、博物館の経験を生かしたどんな授業作りをしますか?」というものです。範囲は問わず、地歴公なんでも良いことにしました。

第8回 フィールドワークを踏まえた教材開発(3):ゲストを迎えた教材発表会
学生がグループごとで教材アイデアを発表しました。発表の際には、東海大学の博物館学の先生をゲストにお招きして、発表アイデアを聞いて頂きました。また、グループ発表が終わった後には、ゲストの先生に、発表への講評と、博物館利用の可能性についてもお話頂きました。

第9回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(1):シミュレーション・ゲーム体験
東海大学のある平塚市で活動をされているライフリテラシー代表の加藤千晃さんをお招きして、「ライフリテラシー・ゲーム」と題するボードゲームを体験しました。このゲームは、社会保障制度について、人生ゲームのようなすごろくを取り入れて、学んでいくものです。
ゲームが終わった後に、加藤さんに「なぜこのような教材を作ろうと思ったのか?」についての経緯や背景、意図をお話し頂きました。またその後に、斉藤が社会科教育におけるゲーム学習者シミュレーション学習の事例や意義についても紹介しました。

第10回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(2):体験した教材の新たな案を考えよう
前回のゲームを体験した経験を踏まえ、履修者には、「ゲームのここを改善するともっと良くなるのではないか?」という改善のアイデアのレポートを提出してもらっています。この第10回の授業では、似たような改善アイデアを提出した履修者同士でグループを編成し、グループで具体的な発表ができるように準備をしました。グループ自体は教員が編成しておきます。発表は模造紙で行って貰い、具体的な改善提案をしてもらうように促しました。

第11回 シミュレーション学習を用いた教材づくり(3):再びゲストを迎えて教材アイデア発表会
前回のグループでの議論を踏まえ、この日の授業では、ゲーム教材の改善アイデアを発表してもらいました。発表の際には、第9回の授業に来ていただた加藤さんに再訪して頂き、全グループの発表を聞いてもらい、感想などもお話し頂きました。また、お互いの授業アイデアについても共有した後で、履修者同士の感想を共有し振り返る時間をとりましました。

第12回 最終的な成果物の作成(1):リフレクションと最終発表教材づくりに向けたアイデア共有
これまでの11回の授業を踏まえて、「良い教材とは何か?」について考えたことを共有しました。その後で、今回の授業の第14回で完成させる教材冊子について、各履修者が作成するフォーマットを説明しました。

第13回 最終的な成果物の作成(2):教材冊子用の発表アイデアの検討
最終的に冊子にする資料作成に向けて、最終調整を行いました。履修者はそれぞれの教材アイデアを持ち寄り、グループで簡単に発表し、意見交換を行いました。資料提出は、この授業の4日後です。

第14回 最終的な成果物の作成(3):教材冊子の完成・発表とリフレクション
全履修者が提出済の資料を印刷しまとめた資料を全履修者に配りました。最後に冊子を綴じる製本作業は、履修者各々に行って貰いました。
製本をした冊子を使って、自分の授業アイデアをグループで発表し、意見交換をする時間をとりました。また、社会科教材論の全14回の授業で印象に残ったことについても、各々で振り返りました。

定期試験
定期試験では、第14回に作った教材冊子を使って、問題をいくつか出しました。