教材研究メモ

デニス・メドウズ他(2005年訳)『成長の限界 人類の選択』ダイヤモンド社.

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1972年に『成長の限界』を著した著者らによる2002年に出た作品です。膨大なデータから今後起こりうる可能性をモデル化して示すアプローチは非常に迫力があります。

「われわれは地球の将来に関して、1972年の時点よりもずっと悲観的である。人間は、地球の生態系の問題に関する不毛な議論や、善意ではあっても本気ではない対応に、この30年をほとんど無駄に費やしてしまった。」(p.ⅹⅶ)と述べている。世界の人口、エネルギー消費量、工業生産、大気中の二酸化炭素濃度、人間の生活に関わる製品使用量などが、この100年くらいで激増していることをデータで改めて実感できます。

同時に、第1章からでてくる「行き過ぎ」(意図してではなく、うっかりと限界を超えてしまうこと)というのが全体に繋がるキーワードのように感じた。行き過ぎの根底には、三つの要因があるという(p.2.)。
①成長し、加速し、その結果急激な「変化」が起こること
②それを超えると、動いているシステムが安全に進めなくなる恐れのある何らかの「限界」や壁があること
③そのシステムが限界を超えないようにするために作用する認識や反応に「遅れ」や過ちがあること

将来のデータ予測を見ていると、2050年後半以降に、熱帯雨林もエネルギー資源を一気にガクッとなくなっていくように思えた。

第4章には二つのシナリオが示されている。その後、様々な選択や前提が変化した場合のシナリオが氏らリオ9まで説明されているが、いずれにしても、2050年以降の経済的豊かさの下降傾向は免れないように読めた。

また、有害物質の排出規制を含め、法律や条約の制定、環境保護のための市場戦略などの影響力の大きさも指摘されていた。いかに環境破壊にブレーキを掛ける政策提案や政策実施をしていけるかという点は、世界規模での環境を考える上でも大きな論点になってきそうだ。

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