『「日本」ってどんな国?』を読んだ。家族、ジェンダー、学校、友達、経済/仕事、政治/社会運動などの様々なトピックに基づきながら、国際比較データの分析で日本の実態を浮かび上がらせようとしている本。
改めて再認識した点や、初めて知る話もいくつもあった。
例えば、日本がOECDのうちの24か国の中で、一週間当たりの社会的交流時間(人と交流することを主とした時間)が最下位だということ(p.158.)や、日本は妻の家事負担がとても高いのに、不公平感はかなり低い国であるということ(p.72.)。男性の無償労働時間がOECDの中の30国中最下位だということ(p.66.)。都道府県によって、学級人数を独自に定めており、多人数の学級の都道府県ほど、学校外の塾で学習を補っている可能性があること(p.118.)。「政府の責任」に関して、経済や物価などが注目点となっており、公正さを実現する役割を求めていないこと(p.221.)など。そのほかにも参考になる情報は多かった。
ただ、本書はある意味、「日本社会へのダメ出し100連発」のような内容にも読めて、そこが若干悩ましかった。日本の強みや希望とは何か、諸外国は本当にうまくいっているのかといったディテールを更に知りたいなとも。自分の住む国を批判的に捉えつつ、希望を紡いでいく意味を考えさせられる本でした。