教材研究メモ

高橋哲哉(2024)『沖縄について私たちが知っておきたいこと』ちくまプリマー新書.

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『沖縄について私たちが知っておきたいこと』を読んだ。沖縄の基地問題を理解するための歴史や諸問題をわかりやすく論じている本。やはり一番強烈なのは、本書で言われる「構造的差別」「犠牲のシステム」(p.95.)についての説明だった。本書では、沖縄が「平和憲法とセットで本土防衛のために犠牲にされるという構造」(p.50.)が過去から現在まで続いていることを指摘する。日本政府が、沖縄にとっての不都合を知りつつも、沖縄を捨て石にする構造を容認してきたことが様々な形で示されている。

本書後半では、沖縄県以外の「応分の負担」(p.99.)のあり方も論じられている。基地移設に総論賛成が多くても、なぜ自分の自治体への移設には消極的な人が多いのか。軍事進出とリゾート地的な消費はコロニアリズムの両面とも言及されていた。

本書でも挙げられていた「無意識の植民地主義」の意味を何度も考えると共に、自分がどの立場から読んでいるのか問われ続ける感覚が残った。

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