読書メモ

田中俊之(2019)『男子が10代のうちに考えておきたいこと』岩波ジュニア新書.

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『男子が10代のうちに考えておきたいこと』を読了。男性学の視点から若い男性に問いかける本。「昨日寝てないわ~」「(試験前に)勉強してないわ~」の台詞は、自らの<男らしさ>を主張しているという話に思わず苦笑い。「進学校って何?」から入る導入がインパクト大だった。

本書は、「女性差別は男性の生き方も強く規定」するという意味で、ジェンダー問題は、男性が当事者意識をもって考える価値がある(p,124.)と述べる。その例にもあった、平日の昼間に「今日のお仕事はお休みですか」と聞かれる居心地の悪さは私も経験済みだし、男性目線でハッとさせられる事例が豊富だ。

<男性らしさ>から自由になるには、自分と異なる価値観を持つ人に敬意を示せる寛容さが重要。そのような積極的寛容を社会に根付かせていくには、多様な人がお互いに顔を突き合わせて対話をするしかない、とも書かれていた。「おわりに」で紹介されていた『フェミニストの帝国』の小説も読んでみたい。

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