読書メモ

大畑裕嗣編(2024)『社会運動の社会学』有斐閣.

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『社会運動の社会学』を読了。なぜ人びとは社会運動を起こすのか。同じく不満を抱えていても、なぜ運動がおこる地域と起こらない地域があるのか。こういった問いを軸に構成されている。社会運動の多様な種類や社会運動の生起条件を説明する多様な理論が紹介されて勉強になる。

例えば、社会運動の具体例として「抗議をする社会運動」「議員を代表にだす社会運動」「事業をする社会運動」「自分や他者を助ける社会運動」など。社会運動の生起条件を説明する理論としては、「構造的ストレーン」「承認論モデル」、「資源動員論」、「政治的機会構造論」など。

社会問題を「発見する」事例としてのラルフ・ネーダーのインパクト。保革の対立や政治的な不安定さが住民運動の発生と関係するという話。ドイツの緑の党の当初の「反政党的政党」の徹底したスタンス。夢を描き詩をうたう意義。「空虚な楽園」か「不幸な意識」科の二択を迫る議論が印象に残る。

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