読書メモ

山岡 淳一郎(2016)『長生きしても報われない社会:在宅医療・介護の真実』ちくま新書.

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山岡淳一郎『長生きしても報われない社会』を読了。暗めの本だが、介護や高齢者ケアをめぐる現実を知るうえでの情報として(仮に煽り気味な部分があるとしても)参考になる。やはり、国民年金だけで生活する苦しさを意識させられた。高齢者の貧困問題と直結している感がある。

「介護難民」など刺激の強い言葉も多いが、そのリスクも偏在化しているように見えた。地域包括ケアシステムや在宅介護の可能性を事例で感じると共に、それらの方針を促す現実的な背景(都市部等の介護のキャパ、経済的な側面)の両義性も強調されている。

認知症のケアについての記述の中で、うまくいった事例、きつい事例の両方掲載されているが、認知症と社会全体の関係性を考えさせられる。(当事者に対するステレオタイプ、デスメーキング等の話が印象に残る)。在宅医療による介護の際に、介護保険の居住サービスの限度額の問題性や実態状況について、もう少し深堀して詳しく学びたい。

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