読書メモ

朱喜哲(2024)『100分de名著 ローティ「偶然性・アイロニー・連帯」』NHK出版.

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朱喜哲『100分de名著 ローティ「偶然性・アイロニー・連帯」』を読了。前回読んだ伊藤(2016)では、ローティの文化相対主義的(ある意味で自文化中心的)な側面が印象に残ったが、本書ではその捉えから論点が広がり、学びが多かった。

印象に残ったのはローティが言葉の使い方、表現にこだわる点だ。言語哲学への私の浅い理解の橋渡しになりそうな予感がしている。

もう一点印象に残ったのは、ローティが文学やジャーナリズムの価値を強調したこと。お恥ずかしながら私は小説をあまり読まないのだが、フィクションや現場の生情報だからこそ伝えられる情報量や質があるのは分かる。理屈や情報だけでなく、自分の感情も成長させて「拡張」させていかねば、自分の中にある「加害者」の一面にも気づけない。要は、様々な媒体から「残酷さ」を学び続ける必要があるということか。

アメリカ大統領選が進む中で、「誰かを黙らせることを目指さない」の指摘には考えさせられる点が多かった。

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