映画『アメリカン・フィクション』を見終えた。市場や大衆(それもマジョリティ側)が望む差別のステレオタイプ化された物語が持てはやされる風潮を、シニカルに描いた作品。「マイノリティ」「多様性」という語は日本でもだいぶ普及したが、この作品を観て考えさせられる。
差別問題について、様々な(質や種類の異なる)具体を一つ一つ学び続け、自分の目の「解像度」を上げていくしかないのかもしれない。何か新しい注目がなされる時、それは一定程度のムーブメントになるし、それも時に必要なのだが、その時世を俯瞰して振り返る瞬間を持てるかどうかが重要になるのだろう。
しかし、先日観た『バービー』にしろ、今回の『アメリカン・フィクション』にしろ、何となく今のトレンドが感じられる気もした。