三牧聖子『Z世代のアメリカ』を読了。アメリカのZ世代が「アメリカ例外主義」に囚われず、昔なら保守派から社会主義的と揶揄されそうな政策を支持していること、アメリカの弱さも実感しているからこそ、対中関係も含め現実主義的な視点を持っていること等、勉強になった。
印象に残ったのは、トランプ政権とバイデン政権で、引き継いでいる政策も少なくないこと。トランプの「アメリカ第一」の言葉はインパクトあったが、弱さのある今のアメリカで、国内の利益を優先せざるを得ない部分もある点(ゆえにZ世代がバイデン政権に失望する点)もよくわかった。
ただ、本書後半でもあった通り、Z世代を中心とした社会正義志向の社会運動は広がれど、共和党の「権力ゲーム」での戦略が勝り、最高裁判事、知事職、州議会等々の保守化は進み、リベラル派が厳しい立場にあるのは事実で、そういう現実をZ世代が今後どう見つめていくのかはとても気になるところだった。