目次は以下の通りです。
第1章 概念と用語法―一つの整理の試み
第2章 「国民国家」の登場
第3章 民族自決論とその帰結―世界戦争の衝撃の中で
第4章 冷戦後の世界
第5章 難問としてのナショナリズム
世界史を「民族」「ネイション」「ナショナリズム」をキーワードに整理しています。
著者自身も述べるように、世界各国で異なる文脈・状況にある民族問題や国際紛争などを、一方では個別具体的な文脈を詳しく描きながら、他方では、異なる事例・地域の問題を包括できるような一般化した見方を提示しており、両方読んで勉強になります。
東欧研究に元々の軸足を置く著者が、「東西」で語る議論のされ方に違和感を呈している場面などが印象的でした。
授業づくりを考えた場合、
・各地の民族問題・紛争を比較する視点
・民族・ネイションの視点から世界史を捉えなおす視点
・「ナショナリズム」という言葉を現代的なニュアンスから相対化して捉える視点
・それらに関する膨大な事例紹介
などが参考になると思いました。
膨大な情報を俯瞰して捉える視点を様々に学べるように感じました。