教育法2では、模擬授業と検討会が中心を占めます。
一回目の模擬授業は、模擬授業者に対してサポーターを2名設定し、事前に指導案の検討や模擬授業の練習してから、当日の模擬授業を迎えるように促しています。模擬授業の検討会は、模擬授業の翌週に実施し、検討会は履修者による司会・論点の立案のもとで進行していきます。
二回目の模擬授業では、同じ単元を複数名に模擬授業化してもらい、履修者による個性的な授業を促すとともに、クラス全体で、同一単元のより良い授業作りの構想について議論を重ねていきたいと思っています。2回目の模擬授業でもサポーターを設定していきます。
【2018年度内で既に終了した授業内容を、随時簡単に紹介します。少しずつ更新します。】
第1回 ガイダンス(本授業のコンセプト、最終目標、14回のプロセスの共有)。模擬授業の趣旨説明。本や映画から授業アイデアを考える
後期の社会科・公民科教育法2の目的を話すにあたって、定期試験で出す3題の問題の趣旨を説明しました。それがこの14回のゴールになるからです。1人当たり2回行う模擬授業の趣旨についても詳しく説明しました。また、夏休みに調べてきてもらった本や映画の紹介資料をまとめたものを配り、皆で面白い本紹介・映画紹介の記事を選んで、互いの意見を共有する時間をとることで、次回提出の学習指導案作りへのアイデアを深めました。
第2回 模擬授業に向けた学習指導案の相互検討会
この日に提出締切の学習指導案をグループでお互いに共有し、検討しました。模擬授業にむけて、今の指導案の流れや教材で良いかなどについて、意見交換をする時間をとりました。
第3回 協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(1)
第4回 協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(2)
第5回 協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(3)
第6回 協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(4)
第7回 協働的な授業観形成のための模擬授業の実施・検討(5)
第3回~7回の授業では、「協働的な授業観形成のための模擬授業」と題した模擬授業を1人1回ずつ行いました。
模擬授業は1人10分です。
この5回でやった模擬授業と検討会の流れ・趣旨をまとめると、以下の通りです。
(1)模擬授業者一人に対してサポーター役を2人設定し、サポーター役は、事前に担当者の模擬授業と指導案を見てフィードバックをしておく。
(2)模擬授業を実施。だいたいは1日二人ぐらい。模擬授業中はサポートは生徒役にならずに、完全な授業観察者に徹する。
(3)模擬授業後2日後までに、生徒役は模擬授業に対する感想レポートを書く。感想レポートのフォーマットなどは事前に指定しており、模擬授業10分だけでなく、指導案全体を見て感想を書くように促しています。(感想レポートを書く際には、「出来る限り、授業の代案となるアイデアを述べる」ことを強調しています。)
(4)授業者は、自分の授業の音声データを記録し、書き起こし資料を作成する。(次回の検討会で利用する。)
(5)模擬授業者とサポーターは感想レポートを全部読み、検討会の論点を立てる(論点は斉藤が事前にチェックする)。
(6)検討会の司会・運営はサポーターがする。検討会の最初に授業者の意見を感想を聞き、感想レポートと書き起こし資料を読む時間を経た後に、全体での検討会を行う。(検討会の進行は基本的にサポーターに任せる。斉藤は介入しない。)
(7)検討後数分で、斉藤が各授業に対して感想レジュメを配って自分の意見を話す。良い感想レポートや発言を出来ていた学生についても言及する。
(8)授業者、サポータは後日に振り返りレポートを提出する。
第8回 ICT機器を使った授業作りの検討
この授業では、デジタル教科書の事例を実際に紹介したり、ICTを用いた授業実践などのビデオ動画などを視聴した後に、「ICTは社会科授業を劇的に変えるのか?」をテーマにしたディスカッションを行いました。
第9回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(1):政治的分野の場合
第10回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(2):経済的分野の場合
第11回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(3):国際社会の分野の場合
第12回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(4):現代社会の諸問題を扱う場合
第13回 同一の単元の模擬授業の実施・比較検討(5):倫理的分野の場合
第9~13回の授業は一連のまとまりを持った模擬授業となっています。
この模擬授業では、1人10分で、斉藤が指定した同じ範囲を二人の履修者に模擬授業の実施(と指導案作成)をしてもらいます。
この5回でやった模擬授業と検討会の流れ・趣旨をまとめると、以下の通りです。
(1)模擬授業者一人に対してサポーター役を2人設定し、サポーター役は、事前に担当者の模擬授業と指導案を見て、フィードバックをしておく。授業者は、斉藤が配布した「授業検討シート」を使って、授業者が「社会科の授業を通して獲得させたい力」など、授業作りの際のこだわりを明記してもらっています。
(2)模擬授業を実施。だいたいは1日二人ぐらい。模擬授業中はサポートは生徒役にならずに、完全な授業観察者に徹する。
(3)模擬授業後2日後までに、生徒役は模擬授業に対する感想レポートを書く。感想レポートのフォーマットなどは事前に指定しており、模擬授業10分だけでなく、指導案全体を見て感想を書くように促しています。感想レポートでは、二人の授業を比較した上で、「1.各授業者は、担当範囲をどのように受け止めていたか?」「2.そこには、どのような多様性が見られたか?なぜ違ったのか?」「3.A、Bが本当にしたかったことは何か?どうすべきだったのか?(皆さんのアイデア)」の三点について論じてもらっています。一周目の模擬授業の感想レポートの趣旨が「代案を提示する」ことだとすれば、2周目の模擬授業の感想レポートの趣旨は、「授業者のこだわりに寄り添った上で、そのこだわりを実現するようなより良いアイデアを提案する」ということになります。
(4)授業者は、自分の授業の音声データを記録し、書き起こし資料を作成する。(次回の検討会で利用する。)
(5)模擬授業者とサポーターは感想レポートを全部読み、「二人の授業者のこだわりの違い」「検討会の論点」を整理し、検討会の司会に備える。論点整理の作業には斉藤も加わる。
(6)検討会の司会・運営はサポーターがする。検討会の最初に授業者の意見を感想を聞き、感想レポートと書き起こし資料を読む時間を経た後に、全体での検討会を行う。検討会では、二人の模擬授業を比較しながら、お互いのこだわり・授業観の違いを可視化し、それぞれのこだわり・授業観に応じた授業の改善案を全体で検討する。(検討会の進行は基本的にサポーターに任せる。斉藤は介入しない。)
(7)検討後数分で、斉藤が各授業に対して感想レジュメを配って自分の意見を話す。良い感想レポートや発言を出来ていた学生についても言及する。
(8)授業者は後日に振り返りレポートを提出する。
なお、この2周目の模擬授業と検討会では、「仮に同じ範囲であっても、授業者の授業観によって様々な授業作りが可能であること」、「授業の上手い下手の優劣ではなく、授業者のこだわりに寄り添った授業作りが求められること」「授業検討会は、模擬授業者自身が充実感を感じられる場であるべきということ」を経験的に皆で学んでいくことを目指しています。
第14回 1年間の授業の振り返り
(前半は前回の模擬授業の検討会です)
一年間の振り返りジャーナルの記録を読み返しながら、最後の振り返りジャーナルを書いてもらう。その上で、お互いの授業に対する感想を述べあいます。
定期試験
この授業のガイダンスで話したテストの内容を実施します。
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