
子どもたちが生活の中で経験できる「生活体験」が減ってきていて、それを保障する環境や教育をしなければいけない、という点が本書全体を通して指摘されています。この「生活体験」という概念の捉え方が重要になりそうです。
この本は「生活科」について論じた本ではないですが、生活科の教科発足の理念の一つにもあった生活体験の重視という点を、改めて頭の中でイメージすることができました。
子どもが遊ぶことの重要性を指摘する点では、以前に読んだNPO法人「日本冒険遊び場づくり協会」の天野さんが書かれていた『よみがえる子どもの輝く笑顔:遊びには自分を育て、癒す力がある』とも重なる点を感じたりもしました。
ただ、本書では、日本の子どもが遊ぶ環境の変化を憂いて「日本の伝承遊び」「懐かしい暮らし」を再評価したり、周りの自然の中で遊ぶこと自体を重視する記述も所々に見られる点などは、権利ベースで子どもの遊びを重視している文脈との若干の差異もあるようには感じました。
とはいえ、動物や草木と触れ合う直接経験、ふれあい経験、五感を使った体験の面白さやワクワク感は本書からも存分に伝わってくるので、そういった点から非常に刺激をうけました。