
本書の主張は、(1)地球温暖化が仮に起きているとしても、それはCO₂の増加によって起こっているわけではなく、地球の周期的な気候変動によるものである。(2)だからこそ、CO₂排出量の削減量をめぐる議論から抜け出して、今後必要なエネルギー開発に力を注ぐべきだ。この二点に集約されると感じた。
正直、こういう主張の本が中公新書から出ていることに最初驚いた。論争問題学習の「論争」の設定をどこに位置すべきかという話と直結しそうだ(個人的には、本書を参照して賛否の軸を設定するのは避けるべきだと感じる)。
とはいえ、地球温暖化や気候変動に関する自然科学的な実証研究に感度を高めるのは大切なのだろうとは感じた。エネルギー開発をめぐる技術開発の議論については、先日読んだ『世界資源エネルギー入門』との論調や温度感の差を感じた。他の文献を読み、理解を深めていきたい。気候変動、エネルギー(資源)問題の学際性を考えさせられる本だった。