読書メモ

村川雅弘編(2002)『子どもたちのプロジェクトS: 総合的な学習-8つの熱き挑戦!』NHK出版.

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総合的な学習の時間のリアルな実践記録として、読み応えのある内容だった。田村学・廣瀬志保編『「探究」を探究する―本気で取り組む高校の探究活動』にも似た印象を持ったが、実践の面白そうな雰囲気や熱っぽさを伝える記述の価値を改めて感じる。特に印象に残った事例は、最初の小松島小学校の和菓子開発と、馬路小学校のゆず製品の開発事例で、「何かを作り出す」活動の魅力を改めて感じる。その本気のチャレンジを作り上げる場づくりの工夫(例:専門家の関与や、本気のシビアな評価の様子、)は素晴らしく、同時に、「○○づくり」自体が目的ではない(目的・育みたい力が重要)という、村川氏の最後の解説にも納得した。ゴールを明確にすることで生徒のモチベーションが上がる瞬間と、生徒自身がゴールを決めることでモチベーションが上がる瞬間の両方がある。そのプロジェクトの文脈や意図、児童生徒の活動の編成(全体での運営、グループか、個別作業か)、ゲストやボランティアで関わってもらえる人材の違いなどによって、総合学習のあり方が多種多様に変わることが感じられた。教科の学習から総合に発展する事例や教科と総合の関連性を感じられる記述も随所にある。「子どもたちには、知識と経験が、まだ十分に融合していないという実態があった」(p.165.)ともあるように、学校カリキュラムの中での総合学習の役割を問い直してくれるような内容だと感じた。

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