読書メモ

平田竹男(2023)『世界資源エネルギー入門:主要国の基本戦略と未来地図 単行本』東洋経済新聞社.

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エネルギー政策、エネルギー資源論を考える上での勉強になった!本書の軸には、エネルギー政策は三つのEによって考えるべきという考え方がある。「三つのE」とは、国家の安全性、地球環境、経済性の三つの視点。日本のエネルギー政策を考える際に、日本の中のことだけを見ていても解決策は見えてこず、他国との関係や日本の地政学的な特徴を含めて考える必要がある、という立場に一貫して立っている。ヨーロッパ、アメリカ、中国、ヨーロッパ、インド、ブラジル、中東諸国などなど、様々な事例が紹介されている。多くの国では、恒常的に資源があるというわけではなく、技術革新によるエネルギー需要の変化の影響を受けたり、逆に採掘努力の積み重ねの上で突破口を見出したりと、様々な分岐点が定期的に存在するように見えた。中東諸国への国際的な制裁の影響が大きいことを改めて感じる。日本のエネルギー資源政策は、世界的な比較の目で見ると、石炭が多く、再生可能エネルギーが弱い。
近隣諸国との関係にリスクを抱えてるにもかかわらず、エネルギー自給率が低く、チョークポイント比率が高いことが懸念材料として挙げられている。2021年の第6次エネルギー基本計画などの路線を考えると、再生可能エネルギーと原子力発電を拡大する必要があることになるが、そこには様々な課題もある。例えば、再生可能エネルギーの重点化のために、蓄電池の技術開発(電池性能や充電システムの改善)の必要性が指摘されていた。ドイツの脱ロシアのエネルギー政策への転換も改認識。同時に、脱中東、脱ロシアと言っても、うまい距離感を保つエネルギー外交の重要性が説かれている点も印象に残った。

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