読書メモ

藤本徹編(2024)『シリアスゲーム』コロナ社.

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社会的な問題解決のためのゲームが生まれてきた経緯やその特徴、代表的な国内外の事例を知ることができる本。日米のシリアスゲームの展開の違いが出てくる点が興味深い。米国のシリアスゲームは、軍や公共セクターの需要によって生み出されたのに対して、日本のシリアスゲームは、ゲーム産業がそれまでリーチできていない顧客、市場への展開を目指し、より生活に根差した身近なものであったという(p.33.)。この指摘を読み、目的主義的にではなく、ゲームそのものの楽しさや文化的な意味を日本では享受している感覚が強いのかなと想像した。3章のゲームデザインの話では、ゲーム学習のフレイムワークを4つの「要素」(「文脈」「表現」「学習者特性」「教育学」)として示している(pp.40-4.)。プロセスよりも要素として示す説明の仕方が個人的にわかりやすかった。本書では、概念的にはシリアスゲームは「デジタルゲーム」に限られず、ボードゲームのような非デジタルゲーム(アナログゲーム)も含まれているとする。ただ、本書の説明の大半を占めるのはデジタルゲームであり、アナログよりもデジタルに可能性を見出していたり、デジタルゲームを子どもの遊びに矮小化する社会風潮を批判的を捉える場面が幾度も出てきた。一方で、非デジタルなゲームの良さは何なのだろうと考えさせられる。身体性を使う点、相手との対話の距離の近さ、なども影響するのだろうかと考えた。

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