読書メモ

日本環境教育学会(2012)『環境教育』教育出版.

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環境教育の幅広い論点・視点を学べる本だった。環境教育を「関係性学習」「統合的学習」の二側面から説明している点が腑に落ちる。関係性学習に関しては「世代間の公正」「世代内の公正」「種間の公正」(p.6.)の論点が挙がっており、これを見ただけでも、環境教育の射程の広がりを実感することができる。その流れで、5章の「食料・水・人口」の話もスッと頭に入ってきやすい。地球温暖化に関しても、「従来の自然界の変化だけでは今日の温室効果ガス濃度の異常さは説明できない」(p.27.)と再確認している。第3章では「生態系と生物多様性」の論点が挙がっている。この章を読んだとき、クマのことが頭をよぎった。第6章では開発教育について扱われているが、参加型学習を技法として捉えるのではなく、世界の問題解決への参加として捉えるべき点が指摘されている(p.82)。8章の「環境倫理思想の歴史」では、「人間中心主義」「人間非中心主義」「動物解放論」「生命中心主義」「生態系中心主義」「環境正義の思想」「環境プラグマティズム」が挙げられており、この点でも環境教育の射程の広さと深さを感じた。第10章におけるシティズンシップと環境の不可分な関係へと繋がる議論に見える。自然体験学習や科学学習の意義も各論点と密接な繋がりとして示されていて、「統合的学習」としての側面も再認識できた(総合学習や生活科の話はもちろん)。13章で出てきた環境教育における地域のステークホルダーや環境NGOの役割について、戦後史の観点からも学びたい。

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