読書メモ

「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会(2024)『同性婚法制化のためのQ&A』岩波ブックレット.

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先日読んだ千葉勝美(2024)『同性婚と司法』のトーンとは少し異なり、現在の日本国憲法が同性婚を認めていると強く述べている本。「同性カップルの婚姻の法制化に憲法改正は不要」(p.28.)、「憲法改正をしなければ同性婚を法制化することはできないと主張する国会議員もいますが、これは明確に誤りです。」(p.31.)とハッキリ述べる。つまり、現状の憲法の解釈を適切にすれば、同性婚は認められるべき、という主張。パートナーシップ制度ではスティグマとして機能するとも論じる。当然、憲法24条1項の限定的な解釈と憲法13条の矛盾を示し、24条1項を拡大してとらえるべき(p.25.)とも述べている。
アメリカの同性婚の話について「同性婚は全米全土で実質的に合法化されることになりました」(p.45.)と書かれているが、この「実質的に」のニュアンスが曖昧な印象はある。連邦最高裁の州に対する要求はどの程度法的な意味を持つのか、深めて理解したいと感じた。
同性婚の議論が、具体的な議論すら進められない背景として、神道政治連盟の存在を指摘している点(p.49.)も印象に残った。専門家が拡大した解釈が可能と言い、世論調査でも賛成が多数を占める中での、対抗勢力としての宗教団体の影響力。アメリカではカトリックが同性婚反対の立場をとるケースが多いが、日本においては一見すると見えにくい形で宗教団体の影響力があることを感じさせられる。

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