【論文1】渡邉巧・阪上弘彬・岡田了祐(2025)「社会科地域学習における小学校教師の授業づくりの特質および背景―インタビュー調査をもとに」『E-journal GEO』Vol.20(2), pp.392-404.
5名の語りの背後には,社会科教育および地域学習に関する【教師の目的・目標】の違いがみられた.それらは,「地域理解」もしくは「地域参加」を重視したものに分かれる.(p.401.)
5名の教師たちは,地域学習の目的を自覚して,授業づくりを行っている.社会科を熟知していても,地域学習では教材開発または学習評価で困難性を経験していた.また,教師自身が,地域の教材を深く研究しているがゆえに,その過程および成果を子どもに追体験させることの教育的意義を自覚しつつも,子ども主体で授業をつくることとのジレンマも語られた.さらに,学習指導要領および教科書,地方自治体等で作成された副読本を自律的に読み解き,その問題性および不十分さを見抜いた上で活用していた.(p.402.)