【論文2】岡島春恵(2018)「中学校社会科教師の教科観の形成に関する事例研究ー教科観形成の多層性と多面性に注目してー」『社会科研究』88, pp.13-24.
今回の調査では、社会科授業の目的について語る際に将来、生徒にどのような市民になってほしいかという点から語り始める教師(B、D、E教師)とどのような生徒であってほしいかという、学校での望ましい生徒の姿から語り始める教師(A、C教師)が見られた。(p.22.)
今回の調査の少ない事例からではあるが、このよう教科観の違いが生じたその形成過程を、それぞれの教師のキャリアから推測してみたい。(p.23.)
【論文1】渡邉巧・阪上弘彬・岡田了祐(2025)「社会科地域学習における小学校教師の授業づくりの特質および背景―インタビュー調査をもとに」『E-journal GEO』Vol.20(2), pp.392-404.
5名の語りの背後には,社会科教育および地域学習に関する【教師の目的・目標】の違いがみられた.それらは,「地域理解」もしくは「地域参加」を重視したものに分かれる.(p.401.)
5名の教師たちは,地域学習の目的を自覚して,授業づくりを行っている.社会科を熟知していても,地域学習では教材開発または学習評価で困難性を経験していた.また,教師自身が,地域の教材を深く研究しているがゆえに,その過程および成果を子どもに追体験させることの教育的意義を自覚しつつも,子ども主体で授業をつくることとのジレンマも語られた.さらに,学習指導要領および教科書,地方自治体等で作成された副読本を自律的に読み解き,その問題性および不十分さを見抜いた上で活用していた.(p.402.)