『AI産業の動向とカラクリがよくわかる本』を読んだ。この動向カラクリ本シリーズを読むのは初めて。カラクリかは別だが、大まかに学ぶには情報豊富で良かった。他国と比べ、日本企業が生成AIの導入にやや消極的である点や、機密情報保護の意識が強いことが挙げられている。
AI産業の経済成長の見込みやAI産業の大手企業のランキング・特徴も論じられている。個人的には、AI産業の規制や政策に関して、アメリカとEUや中国の立場の違いを踏まえつつ、今後の日本のAI法制の展望を論じる授業が面白そうだと思った。AIをめぐる法と倫理の話は、大きな争点。今後も学んでいきたい。
第3章は生成AIの有名どころを知るにはよさそう。第5章・6章のAI関連の職種や就職ガイドを読んで、理系熱の高まり(そして文系軽視、AIで仕事が減るという煽りを背後にか…)を感じなくもない。AIを使いこなす能力がある人とそうでない人の間での社会的分断としての「AI格差」の話もやはり出てきた。
AIと雇用の話も最大争点の一つ。本書で、今後「AIにはできない人間味があふれる作業」は残るといいつつも「人間はより創造的で高度な仕事に集中せざるをえなくなります」(p.210.)ともあり、業界ごとでの影響の差を含め、ここら辺の正確な情報をどう学ぶかが、私にとっての今後の課題でもあると感じた。