読書メモ

小塚真啓(2020)『高校生のための税金入門』三省堂.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

https://amzn.asia/d/2AGZgVn

『高校生のための税金入門』を読了。税金理解を深めたくて読んだので面白かった。ただ、「高校生のため」というより、「大人の教養として」の本という印象を受けた。その理由は、本の中で想定される問いや場面設定が、社会人目線で描かれているように感じたからだ。

所得税の話は分かりやすい。「控除」や源泉徴収、年末調整の概念理解も含め、今の時勢だからこそ、なおさら基本を押さえるのによさそうな気がした。ギャンブルへの課税や譲渡所得の話、相続税・贈与税の損得の話も結構具体的で面白かった(が、これも高校生向きという感じはしない…)。

個人的には、地方税の章から新たに気づかされる点が多く、「足による投票」「租税輸出」の話を含め、地方政治と地方税(の多様性)との関係性を再考できた。ふるさと納税、国際課税の話も入っている。「国際的二重課税」の話を含め、グローバル時代の税制については、一から学ばないとまずいと感じた。

最後のコラム「消費課税の方が経済活動への悪影響が小さいといわれるワケ」は理解しきれなかった。その点含め、本書は、今まで私が読みがちな「そもそも税金とはなぜあるのか?」をやや規範的に論じる本とタッチが違うのかもしれない。同時に、その背景思想の違いのようなものも感じられ勉強になった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

English

コメントを残す

*

CAPTCHA