読書メモ

原田敬一(2007)『日清・日露戦争(シリーズ 日本近現代史 3)』岩波新書.

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『日清・日露戦争』を再読了。相次ぐ戦争の中で、日本が帝国主義化し、植民地支配を進めていくプロセスが描かれている。印象に残るのは、日清戦争~日露戦争の間にかけて、文学にしろジャーナリズムにしろ、戦争に抵抗・反対する表現方法をする素地が育っていったことだった。

その様々な背景となっていた、キリスト教や労働運動、社会主義の影響や動向をもっと学んでいきたい。また、文学やジャーナリズムを支えた1900年代の活字文化の台頭が、小学校卒業生の増加によるものであったと指摘もされていた。逆に、日清戦争期のジャーナリズムが「朝鮮独立維持のための戦争」などの大義名分を展開したり、該当国との戦争を想起する歴史ばかりに注目が集まること(p.89-90.)、とは対比的に思えた。

そのほか、節目節目で天皇の政治参画(政府の動向への関与)が見られることや、日清戦争がどこで終わるのかという点に、いくつもの解釈が可能であることなども興味深く感じた。

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