読書メモ

塚原久美(2022)『日本の中絶』ちくま新書.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

https://amzn.asia/d/iy9IH5r

『日本の中絶』を読了。アメリカの友人と、中絶論争について意見交換する前に、日本の文脈を理解しようと思ってこの本を手に取った。とても勉強になった。宗教的な倫理観を根底に論争がされやすい欧米に対し、日本の中絶をめぐる文脈の違いが分かりやすく説明されている。

日本の中絶を罪悪視するような捉え方は、女性の権利を極端に軽視する明治時代の刑法と、1970年代に「人為的に作られた」罪悪視の観念、それらを容認し温存し続ける国内政策によって、複雑に作られ/更新され続けているように見えた。

第一次、第二次、第三次中絶革命へと、新たな技術の導入によって、世界の中絶観が大きく変わってきていることを知れて、勉強になった。中絶はもはや、ゆるぎない「人権」なのです(p.142.)という言葉が本書最大のメッセージだった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

English

コメントを残す

*

CAPTCHA