読書メモ

石井英真編著(2022)『高等学校 真正(ほんもの)の学び、授業の深みー授業の匠たちが提案するこれからの授業』学事出版.

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『高等学校 真正の学び、授業の深み』を読了。計20個の実践は、本格派・重量級で、「授業の匠」という副題を実感。それぞれは個々の教師の実践紹介だが、編者の石井先生の論を繰り返すではなく、「教師の借り物で無い信念や実践哲学」なる個性的なスタンスが出てて素晴らしい。

読んだ印象として、本書は授業理論やプランの提示をしようというよりは、生徒にとことん迫れるような「問い」と「教材」を吟味する教師の「凄み」を示そうとしている気がした。ゆえに、教材選びは多彩だし、授業方法も多様。素朴に、編者が各実践家を信頼しているのだということが伝わってくる。

本書は仮説として「ホンモノが人を育てる」を挙げる。ホンモノとは「一般化を容易に許さないリアルの割り切れなさや、人間の集合的な追究の営みの厚み」のこと。学問の香りと共に、この「ホンモノ」が広がりを作っていた。深い学びは「当事者性が問われる『重い学び』でもある」という点も印象に残った。

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