読書メモ

探究学習研究会他編(2024)『「探究学習」とはいうけれど―学びの「今」に向き合う―』‎晃洋書房.

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『「探究学習」とはいうけれど』を読了。とても良かった。探究学習を実践・運営する際に起こりがちな「モヤモヤ」に学問的知見をもとに答えようとしている本。印象に残ったのは、「教員間の意識のズレ(温度差)」を扱った章で、同僚に協働を促す教員側の葛藤が伝わってきた。

その他、探究学習と言っても、例えば、先進校や進学校、進路多様校などで期待される能力や探究の狙いが異なる傾向があることや、日本でも生じがちな、社会経済的な諸条件(の偏在)を乗り越えて、生徒の探究へのやる気を高める方法を事例考察している点などが、大変勉強になった。

また、個人主義的な評価観を超えて、他者とのつながり(集団や関係性)を評価すべきという指摘。教師・生徒が探究サイクルの中でも「課題の設定」で不安を感じやすいと統計調査の結果。探究学習と「生産的失敗」の関係。進路指導を通して探究学習の活性化を促しうるという話もいずれも参考になった。

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