読書メモ

八田幸恵・渡邉久暢(2023)『深い理解のために 高等学校 観点別評価入門』学事出版.

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『深い理解のために 高等学校 観点別評価入門』を読了。この本は、高校関係者以外も読むべきだと思った。特に良い点は、よくある教員の不安に一つ一つ答える形式と、主体的に学習に取り組む態度の評価の考え方を分類・整理している点、総括的評価の方法を詳述している点。

主体的に学習に取り組む態度の解釈については、3つの立場があると整理。その理論的な差異だけでなく、立場ごとの評価法の具体例もあり助かる。総括的評価については、観点別学習状況の評価を評定に総括するか否かの論点から、合算案はあり得ないとする他、相対評価を求める高校文化にも切り込んでいる。

実は「中間評価」の概念を私は知らなかった。思考判断表現をいかに総括的評価していくべきかとする中で、レポートやペーパー試験を関連付けつつ、段階的に総括的評価を改革していく案も勉強になる。評定と評価は違うとよく言うが、その両者の思想に絡まる諸問題を自分は理解できてないのだと実感した。

著者は情意の評定に慎重な立場。「生徒がやる気なさそうにしていたり興味・関心がなさそうにしていたりするのは、生徒ではなくカリキュラムが授業の問題です」(p.85.)という言葉を何度も考えたい。「教科は「総合的な探究の時間」の下請けではないのです」(p.66.)が個人的にはベストヒットだった。

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