読書メモ

柴那典(2021)『平成のヒット曲』新潮新書.

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『平成のヒット曲』を読了。各時代の代表曲とその社会背景を描くバランスが良い。平成を「ミリオンセラーの時代」(1990年代)、「スタンダードソングの時代」(2000年代)、「ソーシャルの時代」(2010年代)と大別。印象に残るのは、日本アーティストの海外音楽の受容の仕方。

ロックバンドの登場はその一例だし、ブラックミュージックの影響は各所に見られるし、星野源が高く評価される理由もそこにあるようだった。関連して、一青窈さんにプロデューサー武部さんが指摘した「ソウル」ゆえの「もうちょっと台湾の民謡とか日本の歌謡とかを勉強したら?」の指摘が印象に残り、J-popとは何かと考えさせられた。

2010年前後から、CDの価値が落ち、ヒットの基準が曖昧化。ストリーミングサービスが普及し、洋楽産業と邦楽産業の境目も曖昧化。「innocent world」(ミスチル)に著者はポストモダン的な「大きな物語」の終焉を見る。私には宇多田ヒカルと米津玄師が重なって見えた。

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