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『地域から学ぶ・世界を創る: パブリック・アチーブメントと持続可能な未来 』『人生を拓く・社会を創る: シティズンシップの学び』を併せて読了。大学の必修科目としての授業実践から生まれた2冊の本。市民は「ふつうの人」であり、「参加すべき」という規範ではなく、「参加できる力がある」ことを理解しエンパワーメントすることを目指す、とある。
シティズンシップの議論を「三重の意味での『翻訳』」(日本社会に即すものとして、誰にでも理解できる教養として、専門外教員が語るものとしての各翻訳)として捉え、様々な参考文献に基づきつつ、作成者側の「翻訳」の努力が示されてる感じがした。
Exerciseが要所要所に散りばめられていて、講義とアクティビティの組み合わせも想像できるのもよく、普通にメモしてしまった。受講者だった卒業生の声も掲載されており、シティズンシップ教育と就職後のビジョンを繋げる有効な手段だと感じた。パワーマップ作りも段階的な過程を刻んで、実践的な感じがした。関係者の声含め、事例が豊富なのも魅力。投票行動を軸にせずパブリックコメント、ミニ・パブリックス、ボランティア、社会運動(デモ含む)、日常的な社会参加など、多様なアプローチの提示も貴重。ナオミ・クラインを引用したシティズンシップの話は、社会問題を考える時に大切だと思った。
印象に残るのが、各教員のアレンジの自主裁量がある程度許容されており、教員が自分の専門性を生かした授業作りを試みている点。予想以上にどの先生も自分の専門内容を授業に組み込んでいて刺激的だった。「調べてみよう」というExerciseのお題が複数あり、授業風景や運営の工夫などに興味惹かれた。