『深い学びに導く社会科新発問パターン集』を読了。 教師は子どもに問い方を教えていくために発問する、というスタンスに強く共感。子どもに「自ら問い続ける力をつけるため」にこそ、発問がいるという論旨。だからこそ、子どもが質の良い問いを生み出す練習となるためにも、授業者が質の良い発問を発し、子どもに発問を通して考えが深まる実感を与える必要がある。
本書では、「なぜ?発問」が思考の拡散(どう答えていいか困惑を生む意味のややネガティブな拡散)を生みやすい性質を踏まえ、問いを転換し、スモールステップにして考えやすくしようとする工夫が随所にみられる。
概念的な理解や、価値判断をするような問いは大切だけれど、それをストレートに聞けば、授業者側が思う回答を子どもがするとは限らず、むしろ困惑を生む場面もある。だからこそ、問いをより焦点化したり、刻んだり、ずらしたような発問が輝く。そう思うと、古典授業実践の数々の輝きが増す感じもした。
単に、わかりやすい・意外性のある発問とかではなく、日常と科学、具体と抽象を行き来をする発問にしようという意識が強く見られ、勉強になった。本書後半の、一般化や概念の活用を促すような発問の数々が印象に残った。