『文化を育むノルウェーの図書館』を読了。印象に残ったのは、図書館の役割が幅広いことだ。文化とアートの拠点。出会いの場。文化保護の場。移民の利用を促す多文化ネットワークの役割。様々な読書サークル、コンサート、ギャラリー、コンピューターゲームの活動もある。
故に、ノルウェーでは図書館を本を借りるだけの場所と捉える人が少ない、という指摘もわかる。1970年代から移民が増えたことが図書館の役割増大の一背景だと指摘があった。今約20パーセントを占める移民の存在は図書館にとっても大きい。企画立案の多さは、スウェーデンのスタディサークルを思い出す。
図書館の予算削減や、本屋業界の自由主義化の流れに対し抵抗している様子も描かれていた(例:書籍定価販売制度)。これまで以上に、読書や図書館活用を積極的にアピールすることが社会的にも迫られる状況もわかった。「ランチに文化を」の言葉が素敵。日本の図書館の現状についても少しずつ学びたい。