読書メモ

日本民間教育研究団体連絡会編(1977)『日本の社会科三十年』民衆社.

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日本民間教育研究団体連絡会編『日本の社会科三十年』を読了。教科研、日生連、歴教協を含む7団体が日本の戦後社会科の30年間を総括した内容。最後の座談会を含め、立場ごとで主張の差はあるが、最初の社会科学習指導要領(1947)への理論的な批判をする点は共通している。

社会科の戦前戦後の繋がりの有無は、後半の座談会の論争点であった。ただ、戦前・戦中に教壇に立った教師たちが戦後社会科をどう見ていたのかという体感が、各々違っていたように思う。戦後初期に、社会科を咀嚼、発展しえたのは、戦前の理論・経験の蓄積があった人々だったという点も改めて示唆深い。

最後に、読んでみて、改めて「経験主義VS系統主義」の二項対立ではないよなと実感する。教育内容に対する各論者の批判的視点が各所に際立っていて、そこには文部省批判の視点が強いのだけれど、教科教育の立場から政策を批判するためには、教材研究力や教科内容理解が重要だと再認識できる内容だった。

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