読書メモ

野口敏(2013)『誰とでも15分以上 川がとぎれない!話し方 そのまま話せる! お手本ルール50』すばる舎.

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こういう類の本は基本紹介しないのですが、
雑談やコミュニケーションのあり方を考える上で、少しだけメモしておきます。

本書を読んで印象に残った点は三点です。

一点目は、この本で書かれているコミュニケーションの基本として、
「情報のやり取り」ではなく「気持ちに焦点を当てて」話すこと(p.185.)が重要だとされている点です。
いつどこで、誰が、といった情報を聞き合う会話ではなく、その時どう感じたかとか、その際の具体的なエピソードを共有しながら感じたことを話し合うような会話というイメージでしょうか。

そういう意味でも、「あなた自身を表現する」こと(P.31.)が重要とされます。これは感情やエピソードを豊かに示すという意味だと思います。

関連して、
・なんにでも「好き」「嫌い」をはっきりさせて、自分の感じ方を持つようにすること(p.69.)
・自分のコンプレックスを素直に語れるようになったら、会話力がアップします。(p.123)
みたいな話が出てきます。

二点目は、会話の素材を身近な身の回りにあるところから広げる点です。

人に話しかけて自然な会話をはじめるコツは、その場に落ちている話題でアプローチすることです。その場に落ちている話題というのは、互いの視界に入っているもの、互いに経験したこと、互いが知っていることなどを指します。そういう話ならば相手もノッてきやすくなります。

p.62.

季節の話だったり、食べ物の話だったりが万人受けすると書かれていますが、正直私の性格では、このチョイスがピンとこなかった…。まあ、私の性格も影響しますよね。本書が言いたいイメージ自体はなんとなく分かります。

三点目は、コミュニケーションの前提となるスキル的な要素を挙げていることです。「顔を上げて暮らすこと」(p.25.)「相手の言葉に感情豊かに反応すること」(p.54.)などはそれかと思います。
ただ、スキル面よりも、先の一点目の話が強調されているようには感じました。

また、「雑談から生まれるものを甘く見てはいけません。そのひとつがひらめきです。私たちは考えを言葉にすることで、自分の中に眠っているアイデアに気づくことができるのです。」(P.142.)とも書かれていました。
雑談から生まれる関係性作りの重要性であったり、そういった場づくりから生まれるイノベーションの可能性であったりと、様々な論点、頭によぎったりもしました。

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