読書メモ

日本経済新聞社(2020)『無駄だらけの社会保障』日本経済新聞出版.

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目次は以下の通り

第1章 そのクスリ、本当に必要ですか?
第2章 つくられる入院患者
第3章 見えぬ地域医療の未来像
第4章 終の棲家、どこへ
第5章 クライシスを避けるには

医療や介護をめぐる制度上の問題点を、さまざまな取材、データ分析によって明らかにしています。読みやすいです。同時に読者を煽るかのような怖い悲壮感漂う記述が続きます。
日経新聞社のウェブの本書紹介から引用。

「特養、実は首都圏だけで6000人分余っている」
「医療の進歩で2割以上も余る過剰ベッド」「あふれる飲み残し薬」
「根拠の薄いがん検診を9割の自治体が実施」「不適切に使われる国や自治体の補助金」・・・・・・。
現役世代を苦しめる、社会保険料や税金の負担増。
しかしその一方で、医療や介護の現場をふりかえれば、そこには馬鹿にできない大きなムダが生じているのも見逃せない事実である。
本書では、日経記者が調査データを元に、制度疲労を起こす社会保障のひずみを浮き彫りにし、問題点を分析する。

無駄だらけの社会保障 | 日経の本 日本経済新聞出版 (nikkeibp.co.jp)

情報としては、データも紹介されており、参考になります。
どちらかというと、介護、医療の既存の体制下で、前向きに働く人の声が少ないような印象もありましたが、現状の制度批判をする本書の立場からすると、それはある程度自然なことかとも思います。

授業づくりを考えた場合、
・介護、医療の制度的欠陥を示す数字・データ
・それらの打開策としての全国各地の事例
・制度と受益者のニーズのミスマッチ、可能なコストカットの方策など
・「少子高齢化=社会保障費増大」のイメージを打開する、制度改革を促す視点

ここらへんはとても参考になるように思いました。



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