読書メモ

河合優子(2023)『日本の人種主義:トランスナショナルな視点からの入門書』青弓社.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

河合優子『日本の人種主義』を読了。戦前戦後で創られる日本の「「民族」を「空洞化」させたアイデンティティ」「根無しの単一民族観」という話、ハーフの意味が非歴史化・脱政治化されていく過程、「アジア系ハーフ」の不可視化がされてきた経緯など、印象に残る。

その他、人種主義をイデオロギー的/構造的、ミクロ/マクロなど様々な枠組みで示し、事例があるので分かりやすい。後半の「差別」「偏見とステレオタイプ」「アイデンティティ」も詳しく、何をもって差別なのかを分析する基準も事例と共に明示されていて、授業作りの参考にもなりそうだと思った。

最後の方に書かれていた、歴史的になってしまったものとしての「日本人」を、交差性などの視点を使い、解体し、それでいて周縁化・マイノリティ化されている人の声を聴き「日本人」を引き受けること、という話も非常に印象に残った。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

English

コメントを残す

*

CAPTCHA